福岡|再開発で時代に沿った都市の魅力を創出
𠮷原勝己オーナー

地元の老舗呉服店を前身とする百貨店「岩田屋」本館の建物を受け継いでいた商業施設「福岡PARCO」。福岡市天神のシンボル的な存在でしたが、2027年2月末の営業終了が発表されました。閉店の理由は、建物の老朽化や今後予想される大規模な投資の負担、同じく天神で進行中の再開発計画の影響などとされています。
10年3月の開業以来、市民の買い物を支え、若者文化を発信してきた同施設の閉店は、天神という中心市街地における価値の転換を表しているように見えます。少子高齢化やEC(電子商取引)の台頭、働き方の変化によって、都市消費の在り方が様変わりしているのです。地域の再開発事業が進行する中で発表された新計画では、新たな複合ビルにライブハウス、ギャラリーなど文化・情報発信機能が導入される見通しで、従来の小売り中心型から体験・交流重視型の都市空間への転換となるようです。
そしてそれは街そのものにおける“魅力の再定義”の試みのようにも見えます。同店がもたらしてきた都市の価値に、これからの街づくりがどのように接続されるのか。PARCOという“買い物の象徴”の幕引きが、新たな福岡の始まりであってほしいと願っています。
(2026年5月号掲載)






