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死亡事故に備える保険を家主に無償提供
区内の高齢者入居物件が対象
東京都千代田区は、高齢者に部屋を借している賃貸住宅オーナー向けに「家主サポート保険事業」を実施している。万一の死亡事故発生時の原状回復費用などを補償することで、区内の高齢者の賃貸住宅への入居を促進する。
同保険を利用する際、オーナーやその代理の管理会社は千代田区に対象住宅を登録する。登録条件は2つある。1つ目は、物件の所在地が千代田区内であること。2つ目は、入居するのが65歳以上の単身世帯、もしくは65歳以上の人を含む60歳以上のみで構成される世帯であることだ。
保険金は、登録物件内で自殺・犯罪死・孤独死が発生した際に支払われる。事故が発生した時、まずはオーナーや管理会社が千代田区に連絡する。区は登録情報を確認の上、保険会社に連絡し、保険会社からオーナーに直接、保険金の請求資料が送られる形だ。
補償内容は、事故発生後の空室期間の家賃や減額家賃、原状回復費用など。原状回復費用は100万円まで補償する。保険料は千代田区が支払うため、オーナーの費用負担はない。
同保険事業の目的は、区内の高齢者の住み替え需要に対応することだ。千代田区には古い住宅が多く残るエリアもあり、集合住宅の建て替えなどで引っ越しが必要になる高齢者がいる。区内の賃貸需要は高く空室が少ないこともあり、新規で高齢者を受け入れる物件は多くない。
千代田区環境まちづくり部の山内智誠住宅課長は「多くのオーナーや管理会社に保険を活用してもらい、住み替えで困る高齢者を減らしたい。26年度は同保険200件分の保険料に対応する予算を確保しているので、オーナーへの周知を工夫し利用の促進に努めていく」と話す。
(2026年6月号掲載)






