<<My賃貸経営スタイル>>
FIREを志して賃貸経営を開始
人脈を作りながら事業拡大
村松卓オーナーは現在41歳。2021年11月から賃貸経営を始めた若手オーナーだ。大手企業に勤めながら、FIREを目指して事業規模を拡大させている。所有物件は1棟ものが6棟、区分所有マンション2戸、戸建て12戸で、現在計59戸を経営中だ。
村松卓オーナー(埼玉県本庄市)

会社員で終わりたくない
投資を始めた背景には、勤務先の会社に対する不満があった。大企業故に安定感がある半面、年功序列の慣習が強く能力が低い社員でも、長く勤めれば出世できる。そんな環境で仕事を続けていてもつまらないと感じたのだという。同時期に先輩家主との交流をはじめたことで、経営者への尊敬と自由な立場への憧れが生まれた。
最初に手がけた物件は2LDK3戸、新築のメゾネットタイプ。実はこれらは、この2年ほど前に自宅用に購入した160坪の土地の一部に建設している。ちょうど自宅を購入しようと考えていたタイミングで好立地の広い土地を見つけ、後々の活用も視野に入れて入手した。
「自宅は50坪あれば十分ですから、100坪くらいの土地が余ることになります。そこに集合住宅を建てることで、初めての賃貸経営を開始したのです」(村松オーナー)
自宅に隣接しているということもあり、利回り優先の廉価な集合住宅は避け、何よりも質を重視した物件だ。土地の購入後、目の前にスーパーマーケットが開店したこともあって、埼玉県本庄市内の類似間取りの賃料相場が5~6万円のところ、9万5000円という高い賃料で貸し出せている。
とはいえ、初めての物件取得は何もかもが思いどおりというわけではなかった。建設時の融資は思いのほか厳しく、結局費用の半分は自己資金で賄うことにした。その一部は親に借金をすることで捻出したという。
しかし、晴れて購入したこの最初の1棟は、事業規模拡大の確かな足掛かりにもなった。都内に5戸のRC造マンションを購入する際、この物件を共同担保として融資を受けることができたのだ。
- 自宅隣の物件から賃貸経営を開始
築古物件で事業を拡大
その後、初めての中古戸建てを購入したが、リフォームを行った時にかかった費用は120万円。村松オーナーは「不安はあったものの最悪、失敗してもいいかなと思える金額で挑戦しました。これがうまくいったことで自信をつけて、どんどん中古物件に手を出していったのです」と当時を振り返る。
そして、本庄市内に2棟、それぞれ築約30年と約45年の中古木造アパートを購入。同県内の蓮田市でも24年、中古木造アパートを手に入れている。そのほかの戸建て物件に関しても基本的にリフォーム前提の購入だという。
新築で入手した物件以外は、ほとんどすべてでリフォームを行ってきた。利益を確保するために小規模なDIYも行うが、平日は会社勤めで全てを自分でやる時間はない「大がかりな大工仕事と設備関係はプロに任せる」と決めている。利益を最大化させるために意識しているのは、使用する資材を全て施主支給にすることと、職人などの個別発注にすることの2点だ。
リフォームは、壁紙と床などの内装は自らこなし、ほかにも温水洗浄便座を自分で設置するなど、最低限の手間でコストパフォーマンス良く改修することを目指している。
また地元で活動する「大田大家の会」に所属しており、先輩家主や同時期に不動産経営を開始した家主とも交流を始めた。
「職人からの紹介で物件を購入することもありますし、家主仲間との交流の中で民泊経営をしている人たちとも知り合いました。現場では職人、家主の会では同業者との交流を深めることを意識しています。私は若く見えるほうなので『若造が頑張っているな』と応援してもらいやすい点がラッキーですね」(村松オーナー)
- Before
- After 古い物件の和室を洋室に作り換えた
- Before
- After 壁紙を貼り替えて見映えを改善
- Before
- After バランス釜の風呂場をユニットバスに変更している
退職を目指して目標設定
兼業家主として5年間で着実に物件を増やしてきた村松オーナーだが、目指すのは変わらず「FIREして今の会社を辞めること」だ。現在、会社員としての年収は約1000万円。同額を不動産経営から得るためには、手残りを20~25%として計算すると現在の2倍の家賃収入が必要になる。
「融資では会社員としての年収の多さが強みになりました。それと同時に、自分は会社員として型にはまっているよりも、身の丈を超えたことにも挑戦できて、工夫や努力が大きな成果として返ってくる世界が性に合っていると感じます。いずれFIREするつもりなので、会社で理不尽なことを言われても全く気になりませんし、そういう精神状態で仕事をする事はなかなか悪くないですね」と村松オーナーは途中経過について話す。
事業拡大の最終目標を尋ねると、少し照れながら「世のため人のためになることをしたい」と答えた。
「たとえばアメリカの大富豪、ビル・ゲイツ氏のような人物に憧れています。そういった人々が最終的に行き着く先は、ボランティア。そのためには、まずは金銭的にも精神的にも余裕を持たなければなりません。余裕を持つための十分な収入と時間を、不動産で得られるようになりたいと思っています」(村松オーナー)
会社員としての人生を一変させ、自分の理想の生き方に近づく。その基礎となる賃貸経営を、村松オーナーはこれからさらに盤石にしていく予定だ。
(2026年6月号掲載)














