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<<入居者との思い出>>
コミュニティー賃貸がもたらす縁
入居者と共に地域活性化を図る
東急電鉄田園都市線二子新地駅近くで生まれ育った地主系専業家主の木村憲司オーナーは「コミュニティー賃貸」を運営する家主だ。入居希望者とは必ず面接を行い、自身の理念を伝えたうえで、地域やまちづくりに関心を持つ人に住んでもらう。
木村憲司オーナー(神奈川県川崎市)

「利便性や家賃の安さだけで選ばれるまちにしたくない」という木村オーナーの思いは、所有物件からも感じられる。賃貸マンション「ウッディモアル」の1階では、近隣の子どもらが集う「駄菓子の木村屋」や地域に開かれたコミュニティースペースを運営。また隣地に建てた3階建て物件内にはシェアキッチンも備えている。住人と地域の人々が自然に交流できる機会や場所を提供したいという意識からだ。
そんな木村オーナーの理念に共鳴した入居者がいる。栃木県の兼業米農家に生まれ育ったデザイナーのWさんだ。
Wさんは自然と関わる暮らしを都会でも実現したいと考え、2019年に妻と共に木村オーナーの物件への入居を希望した。入居後はデザイン事業を行う傍ら、仲間と共に地域に緑を増やす活動を開始。ワークショップやイベントを通じて、植物のある暮らしの楽しさを発信している。
Wさんの活動や仕事ぶりを見ていた木村オーナーは、自身が運営担当者として関わっている川崎市高津区との地域プロジェクト「まちの企画室」で、チラシのデザインをWさんに依頼することにした。
- 黒板塗料の壁画に地域マップを描くイベントは、入居者だけでなく地域住民も巻き込んで行われた
同事業は、行政と市民参加型のプロジェクトを企画・実施していく「まちづくりのための地域共創プラットフォーム」として23年に発足。木村オーナーが大切にしている活動の1つだ。「Wさんは人の話を丁寧に聞き、意図をくみ取って形にできる人。イラストにも温かみがあり、この地域のイメージに合うと感じました」(木村オーナー)
そのチラシは評判を呼び、Wさんには川崎市からもイラスト制作の依頼が舞い込むようになった。地域のことを考えた活動が本業にも波及し、仕事の幅が大きく広がったのである。
「私との地域活動がきっかけとなり、入居者の仕事にいいご縁が生まれた。とてもうれしいことです。これからも、皆さんに地域や物件に対する愛着を持ってもらえるような賃貸経営をしていきたいです」と木村オーナーは話す。
[木村憲司オーナー プロフィール]
川崎市生まれ。総合設備企業勤務を経て、父と祖父から不動産を相続し、2007年から専業家主に。所有する賃貸マンション1階に「駄菓子の木村屋」や街に開かれた交流スペースを開設するなど多様なコミュニティー活動を展開。5棟37戸を自主管理する。
(2026年7月号掲載)






