大阪|線路地下化と再開発でディープな街に新風
加藤 薫オーナー

「東の玄関口」として独自の酒場文化や商業圏を築いてきた大阪市の京橋。この街の真骨頂は、戦後の闇市をルーツとする圧倒的な熱量にあります。昭和レトロな空気感や朝から活気づく立ち飲みストリート、迷路のような路地裏。これらは労働者の街として発展した「ヒガシ」のアイデンティティーそのものです。権利関係が複雑な雑居ビルの密集は開発の難所ではありますが、その「雑多な魅力」こそが、絶えない客足と強固な需要の源泉となってきました。
この「ヒガシ」において、大阪市は京橋を起点に大阪公立大学の新キャンパスが開設された森之宮までを一体的に再整備する方針。要となるのが、JR片町線・東西線を地下化する連続立体交差事業です。JR京橋駅周辺(約1・3㎞)を地下化し、駅周辺の「開かずの踏切」を撤去。長年街を南北に分断していた鉄道の壁が消滅することで回遊性が飛躍的に向上し、線路跡地での新たな商業・居住空間の創出が期待されています。
京阪電気鉄道京橋駅の再開発も控え、利便性に「洗練さ」が加われば、賃料相場の上昇や資産価値の向上が現実味を帯びてくるでしょう。カオスな活力と近代的な都市機能が融合する未来の京橋は、長期的に極めて高いポテンシャルを秘めたエリアです。
(2026年7月号掲載)






