長い付き合いの中で起こる変化
お互いに理解し合うことが大切
協力会社との古い関係
皆さまこんにちは。心理カウンセラーの佐藤栄子です。
今回は「賃貸経営に関わる事業者とのコミュニケーション」がテーマです。
賃貸物件や土地の管理において、仲介会社や内装会社、管理会社などとの付き合いが長期にわたることが多いと思います。その中には親子2代で付き合いが続いているという人もいるでしょう。
私が以前働いていたデベロッパーにも賃貸物件の運営・管理部門があり、地主への相続対策を含めた土地活用の提案や、ビル・マンションなどの建築設計、賃借人の募集や賃料督促といった業務を行っていました。地主との付き合いは十数年にわたることが多く、いろいろなタイプの人がいて、たくさんの人生経験を積むことができました。
すべて管理会社に任せるという人もいれば、空室期間が長引いても絶対に賃料減額はしない、営業努力が足りないとクレームを入れてくる人もおり、本当に対応はさまざまでした。しかし、いずれも自身の土地や物件に対する強い思い入れを感じました。
変化に応じて積極的に会話を
こういった協力会社のスタッフと円滑な関係を長く保つために、私は「お互いの状況は変化していくもの」と心にとめておくのがいいと思っています。
付き合いが長くなればなるほど、協力会社に対して「自分の思いどおりに動くはず」「同じように考えてくれているだろう」という思い込みを持ってしまいがちです。付き合いを始めた当初と現在では市場や景気の変化、従業員の離職・退職など状況は同じではないでしょう。「自分のニーズを満たすのが当たり前」と思っていると、いずれ対応に不満を持ち、関係が悪化することもあるのです。
また逆に、自身の加齢に伴い事業遂行や判断が難しくなってくるケースもあります。そうなると、さらに新たなサービスや協力会社が必要になるかもしれません。
不動産関連の仕事は長期にわたるだけに、それに関わる人すべてで良いチームをつくれるように、バランスを取っていくことが必要だと思います。そのためにも、事業運営で疑問に感じることがあれば、協力会社のスタッフと積極的に話し合い、お互いの状況を率直に伝え、理解する場を持ちましょう。
こうしたことが円満なチーム運営につながるのです。
佐藤 栄子プロフィール
不動産会社で約20年、主に秘書業務を担当。退職後、心理学を学ぶ。現在はインターネット総合サイト「exicite(エキサイト)」を含む3社で電話とメールによる心理カウンセリングや、離れて暮らす親子がつながるための情報サイト「親子ネクト」でコラムの執筆を行う。
(2024年7月号掲載)
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