【連載】人生 100年時代中高年のコミュニケーション:6月号掲載

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昔話ではなく現在の話をする心地よくつながる同世代の友人

気負わず知己と接する

皆さまこんにちは。心理カウンセラーの佐藤栄子です。

今回は「同世代の友人とのコミュニケーション」がテーマです。

50代になると、同窓会のお知らせが増えますね。働き盛りの時代を乗り越え、少し時間に余裕ができたり、第二の人生を考え出したりする時期だからでしょうか。

実は久しぶりに同窓会に参加した後、さまざまな思いを抱きカウンセリングに来る人が多いのです。ほかの人はそれぞれ「成功者」の道を歩んでいて、楽しそうに話をするのに対し、「自分には何もない」と気後れし、自信を失ってしまうようです。

しかし、光があれば影があります。どんなに光の中に立っているように見えても、それがすべてではありません。同窓会で久しぶりに会う学友に、いきなり自分の「影」を見せようとはしないでしょうから、誰でも少なからず「光」の部分だけを見せることになります。ですからそれを真に受けなくていいのです。

「そんな同窓会なら行かなければいい」と思う人もいるかもしれませんが、私は中高年の人には無理のない範囲で参加することをおすすめします。

今後の第二の人生において、他者とのつながりを多く持っておくことは毎日の生活に楽しみをもたらすうえに、認知症の予防にも効果的です。さらに年齢を考慮すると、これから新しい知人・友人を得ていくのは、どんどん心理的ハードルが上がっていくでしょうから、旧知の学友との関係を改めて深めるほうが取り組みやすいと思います。

趣味・関心を手掛かりに

同窓会などでせっかく会うのであれば、楽しい時間にしたいものですよね。

そのためにも話題は大切です。ポイントは、「仕事以外で現在興味があるものについて話してみる」ことです。同窓会だと「〇〇は昔こうだった、ああだった」という話になりがちですが、過去は変わらないうえに人の記憶は曖昧なので話に広がりが出ません。また、昔話が楽しいのはその時代に活躍できたと感じている人だけで、たまたまその学生時代にはいい思い出がなかった人だと話に乗りづらいでしょう。

しかし、現在の趣味や関心事が同じであれば、新たな関係が築きやすくなります。

少しずつ仕事の人間関係から解放されていくシニア世代、改めて良好な友人関係を持ちたいものですね。

佐藤 栄子プロフィール

不動産会社で約20年、主に秘書業務を担当。退職後、心理学を学ぶ。現在はインターネット総合サイト「exicite(エキサイト)」を含む3社で電話とメールによる心理カウンセリングや、離れて暮らす親子がつながるための情報サイト「親子ネクト」でコラムの執筆を行う。

(2024年6月号掲載)

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