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場づくりを重視するスクール「大家の学校」10周年
クルミドコーヒー店主・影山氏と卒業生が登壇
店舗やオフィス、住居などの場やまちの在り方を一緒に学び考えていくスクール「大家の学校」が、開校10周年を迎えた。その10周年を記念したイベントが3月8日に行われ、卒業生や新しい期の受講生、関係者ら約50人が参加した。
イベントは、同スクールの卒業生で、東京都豊島区の不動産オーナーでもある深野弘之氏がオーナーの賃貸住宅を中心としたエリア「ニシイケバレイ」の見学に始まり、オープニングアクト、2本のトークセッションという構成で進行した。
オープニングアクトでは2016年にスタートした大家の学校について、校長を務めるまめくらしの青木純代表が説明。これまでに104人の講師と308人の卒業生を輩出した「場をつくるすべての人へ」向けたスクール兼プラットフォームであることを説明した。
その後、1部のトークセッションでは、クルミドコーヒー店主であり大家の学校のレギュラー講師を務める影山知明氏と青木氏が登壇。青木氏が選んだ「影山知明の10の言葉」をテーマに、大家の学校の根底にある大家の哲学を語った。

大家の学校の青木校長(左)とクルミドコーヒーの影山氏
中でも「大きなシステムと小さなファンタジー」については、影山氏は経済や政治といった「大きなシステム」の逆風が吹く中で、大家や物件といった「小さなもの」が持つ大きな力を信じ、影山氏の地元である東京都国分寺市でそれを体現していく考えであると説明した。
青木氏は「影山さんの言葉は、目の前の住人の暮らしを幸せにするという大家の学校の思想と一致します」と話した。
2部のトークセッションでは「大家が変われば、まちが変わる」というテーマで、2組の卒業生が実践例を語った。
ニシイケバレイのオーナー、深野氏は父の闘病・相続を機に18年ごろに大家の学校を受講。当初、住人同士の関わりが全くなかった状況から、地域住民に向けたメッセージボードの設置やマルシェといった小さな一歩を重ね、顔の見える関係を築いてきた。豊島区のローカルコミュニティーとの連携をとってきたこともあり、25年に新築賃貸住宅が完成した後は、巨大なピロティ空間が子供の遊び場や町会のみこし作りの場となり、地域との喜びの共有が促進されたという。

卒業生2組のトークセッション
伊藤麻里子氏と熊倉風香氏は、大家の学校で出会い意気投合し、東京都練馬区の古家を「わらべハウス」として共同で運営。2人は異なる役割を持つ。伊藤氏は「場が生かされにぎわうこと」と「賃料を上げること」、熊倉氏は「同区北町を面白いエリアにし、自分も事業家としての力をつけること」を共有し、場の育成に励んでいる。
深野氏は、「『大家がまちの採用担当者』として当事者性を持つことが、まちを良くするきっかけになったという青木校長の言葉が心に響いた」と話し、セッションを締めくくった。
なお大家の学校の13期は26年4月19日に開始する。
(2026年5月号掲載)






