クルーズのお金の話、意外とわかりにくい

コラム人生に船旅

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意外とわかりにくい、クルーズのお金の話
クルーズ代に含まれるもの、含まれないもの

 「豪華客船」という響きから、「クルーズ旅行=高価」というイメージは根強い。確かにクルーズ代だけを見ると、リーズナブルなものはそう多くない。さらに表示料金は通常2名1室利用時の1名分。例えば夫婦2人なら、その2倍の料金が必要だ。

 とはいえ、金額だけで判断しないほうがいいのがクルーズ代。そこには宿泊費、移動費、食事代、ショーやコンサートなどの観覧費、プールやジムなどの施設利用費が含まれている。

大小のプールが備わっていることが多いクルーズ船。利用料はクルーズ代に含まれている

 例えば「日本一周クルーズ10日間」や「地中海クルーズ7日間」をクルーズ以外で実現するとなると、飛行機、電車、ホテル、レストランなど個別手配が必要で、クルーズ代と同等に抑えるのは難しい。クルーズは多くがパッケージ化されており、手軽かつ費用対効果が高い。特に円安で海外旅行が割高な今、海外クルーズのお得感は大きい。

船によって違う「料金込み」

 クルーズ代に何が含まれているかは、船のランクによっても変わってくる。一般的に、クルーズ代がリーズナブルな大型カジュアル船は、追加料金がかかるものが多い。

 アルコールを含むドリンク類を筆頭に、船によっては、レストランで提供される水も有料ボトルのみの場合がある。ほかにも有料レストランや寄港地観光ツアーなど、魅力的な誘惑が次々と現れる。Wi-Fi接続も多くが有料だ。

 もちろん利用しなくても十分楽しめるのだが「せっかくなら体験したい」と思うものばかり。だから私は、初めて大型カジュアル船に乗る人には「船代以外に数万円は使うつもりで予算確保を」と伝えている。旅先で細かな出費を気にするより、少し余裕を持って楽しむほうが満足度も高くなるからだ。

食事、お酒、Wi-Fiも すべてを含む高級船

 一方、ラグジュアリー船になるほど「オールインクルーシブ」化が進む。ドリンク類やWi-Fi、高級食材を使ったレストランも追加代金なしで利用できる。船会社によっては、寄港地観光ツアーやバトラー(執事)によるサービスまで含まれる。

 クルーズ船内では現金やクレジットカードは不要だ。クルーズカードがルームキーとクレジットカードを兼ねており、それですべてが事足りる。さらにラグジュアリー船では、このカードやサインすら不要で、クルーが自然にすべて手配してくれる。

 

 

にぎわいを見せるラグジュアリー船のバー。アルコールを含むドリンク代がクルーズ代に含まれることが多い

 一方で、その快適さに慣れると下船時に困ることも。レストランなどでの会計時、「あ! ここは自分で払うのだ!」と、はっとわれに返ることがある。

 クルーズの価値は、単純な金額だけでは測れない。移動、宿泊、食事、娯楽が一体となった非日常体験ができることも、クルーズ代に含まれている。


海事プレス社「CRUISE」 田絵里 編集長

1999年、早稲田大学卒業。607日間の世界一周旅行を経て旅行メディアの世界へ。2010年、海事プレス社入社、15年より日本初のクルーズ専門誌「CRUISE」編集長。国内外クルーズラインの取材、誌面制作を幅広く手がけ、「WEB CRUISE」の運営も担う。


(2026年9月号掲載)

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