財務省が発表した数字(左グラフ参照)によると、相続税の課税件数が2年連続で増加している。主な理由は被相続人の長寿命化だ。昨今の株価上昇と、路線価の上昇で相続財産が増えている中で、相続税の課税対象者割合も当然上昇しており、ひとごとではなくなってきている人も増えている。
そんな状況下で重要なのは、相続発生前にきちんと対策をとることだろう。相続対策といっても、税金はもちろんのこと、子ども世代に相続する不動産を整備しておきたい。
せっかく財産を残しても、「こんな不動産を残してくれなければよかったのに」と子どもから思われてしまったら、悲しすぎるだろう。特に厄介な底地と呼ばれる貸し宅地、老朽化した賃貸住宅などは問題を抱えていることが多く、持ち続けるのも大変だ。
相続税の計算、誰に何を残すかの決断、そして、残す財産を整備すること、この三つが相続対策のうえでポイントになる。
それぞれの分野で相続対策を講じる際の強力なパートナーとなる専門家3人に、地主・家主に対してどのような対応をしているのかを聞いた。
「地主の駆け込み寺ch」を毎週金曜日配信不動産鑑定の活用で相続・底地の問題を解決
日本橋鑑定総合事務所は、創業以来、地主さんのお困り事に対応し、鑑定とコンサルティングで多くの実績とノウハウを蓄積してきました。2020年からはユーチューブチャンネル「地主の駆け込み寺ch」で動画を配信。登録者数は1000人を超えます。三原一洋社長に自社の強みと実績について聞きました。
賃料鑑定評価の豊富な実績全国平均に比べ15倍の依頼
――地主さんの共有地、底地、地代などのニッチな分野での相談に対応されていますが、きっかけは何ですか。
私が会社を設立する前に見た光景が原点となっています。それは、2004年に東京都八王子市の郊外で見た、「財務省管理地」の立て看板と、ロープで囲まれた2000㎡の土地です。その土地を前に、私は立ち尽くしました。地主さんは重すぎる相続税が払えなかったために、誰にも相談できず、国に言われるまま、土地を物納したのでしょう。先祖代々の財産を取られた地主さんの悲痛な叫びが聞こえてくるようでした。「自分がアドバイスできていれば、土地を奪われずに済んだはず」と拳を握りしめたことは忘れられません。
――このニッチな分野に特化している中で、一般的な不動産鑑定事務所よりも実績が豊富だと聞きました。
国土交通省では、1年間で不動産鑑定士が依頼を受けた賃料の鑑定評価の件数を公表しています。その件数を全国の不動産鑑定士の登録者数で割ると、不動産鑑定士1人あたりの依頼数は0・33件。当社は平均5・1件なので、全国平均に比べて、15倍の件数となっています。
――地主さんは何をきっかけに御社を知って問い合わせるのですか。
私は地主さん向けの書籍を4冊出版しています。この書籍の読者さんや開業時から続けているブログ、SNSのX(旧ツイッター)、そして、20年から始めたユーチューブ番組からですね。ユーチューブは毎週金曜日午後6時に動画を更新しており、地主さんの中には、「夕食時に毎週家族で視聴しています」という人もいます。
――著書やユーチューブ動画、ブログでは、豊富な事例が紹介されていて知識を持たない地主さんでも非常にわかりやすいです。
人によって悩み事が異なるので、コンサルティングの内容も変わってきます。そのため、ケーススタディーとして紹介することで、悩みを抱えている地主さんの共通する問題解決法を探すヒントになればいいと思っています。
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