与党が令和7年度税制改正大綱を発表
防衛特別法人税(仮称)が創設
自民・公明両党が「令和7年度税制改正大綱」を発表した。不動産オーナーに関わるのは①サービス付き高齢者向け住宅の不動産取得税等の減額措置の延長②法人税の増税③事業承継の役員要件の緩和などの三つだ。税理士法人安心資産税会計(東京都北区)の平田康治税理士に話を聞いた。
①は、サービス付き高齢者向け住宅の不動産取得税、固定資産税の減額措置の適用期限が2年延長される。不動産取得税は住宅の課税標準額から1200万円控除され、固定資産税は2分の1以上6分の5以下の範囲内かつ条例で定める割合(参酌標準:3分の2)で5年間減額される。
②は、防衛特別法人税(仮称)が創設され、2026年4月1日以後に開始する事業年度の500万円の基礎控除を超える基準法人税額に対して、4%法人税が上乗せされる。平田税理士によると、上乗せされる目安は中小法人の場合は2400万円の課税所得を超える場合であり、実質1%程度の負担増となる見込みだという。
③は、法人版事業承継税制の役員要件の緩和だ。事業承継時の贈与税・相続税を軽減し、税負担を先送りできる。これまでは後継者が贈与の日まで3年以上役員である必要があったが、この要件が贈与の直前までに緩和された。27年12月末の適用期限直近まで利用できるようになる。
また税制改正ではないが、特定の資産の買い換えの場合の課税の特例の適用期限が26年3月31日まで迫っている。「法人が特例を利用する場合、四半期ごとに届け出る必要がある。届け出漏れがあると、その事業年度には特例が利用できなくなるため、必ず届け出をしてほしい」(平田税理士)
●サービス付き高齢者向け住宅の不動産取得税・固定資産税の減額措置が2年間延長
●法人税が2026年4月1日以降の事業年度から増税
●事業承継の役員要件が贈与の直前に緩和
※「令和7年度税制改正大綱」を基に地主と家主でが作成
(2025年 3月号掲載)
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