東京都がアフォーダブル住宅供給へ

法律・トラブル不動産関連制度

<<業界トレンド最前線!>>

東京都がアフォーダブル住宅供給へ
賃料高騰下の子育て世帯支援

 東京都が、アフォーダブル住宅の供給を開始する。供給戸数は350戸程度を目指す。

 一般的にアフォーダブル住宅とは、公営住宅と民間賃貸住宅の中間に位置付けられる住居であり、低所得者よりもやや上の収入層を主な対象としている。今回、都が推進する同住宅の入居対象は子育て世帯とし、家賃水準は市場家賃の75~80%に設定される。東京都住宅政策本部で住宅企画部企画担当課長の谷迫清氏は「アフォーダブル住宅は、子育て世帯の定住を促すための『選択肢の一つ』として、市場への定着を目指す」と話す。

 都内では、住宅ストックが世帯数を上回る一方で、住宅価格や家賃の高騰を背景に、子育て世帯が「住みたい場所に住めない」というミスマッチが課題となっている。アフォーダブル住宅の供給で、これを解決していく狙いだ。

 都の施策において供給の柱の一つとなるのは、官民連携ファンドだ。2月中に四つのファンドを組成し、同ファンドの運営事業者候補として採択された9社が準備を進めてきた。不動産業界からはデベロッパー大手の野村不動産、空き家再生を行うヤモリ、賃貸事業を主とする萬富、シングルマザー向けの住宅供給を支援するLivEQuality(リブクオリティ)大家さんが参画する。

 ファンドの設定額は200億円以上とし、そのうち100億円を都が出資する。同ファンドが物件の取得から運営・売却までを行い、収益性を確保しつつアフォーダブル住宅の供給モデルを確立することで、民間主体の供給促進を目指す。

 四つのファンドのテーマは、子育て支援や空き家活用、ひとり親支援に分かれる。投資対象も、新築・中古マンションから中古戸建てまでさまざまだ。都への利益分配率を低く設定することにより、ファンド運用を担う民間事業者は利益を確保できる仕組みだ。

 千代田区もアフォーダブル住宅の供給に乗り出した。26年度以降数年で、100戸の供給を目指す。特徴は、ストック活用型である点だ。既存住宅だけでなく、空きビルの用途変更にも対応していく。リノベーションにおいて、1戸あたり最大1000万円の補助金を出す。

 入居対象は子育て世帯。特に、住み替えを検討しているが「現在の相場家賃では住み替えが難しいと感じる」世帯とした。世帯年収は区民住宅の所得基準を参考に検討していく。なお区民住宅の入居に係る所得基準の上限は、1000万円台だ。

 東京都と同じく子育て世帯向けの住宅確保施策を推進する理由について、同区環境まちづくり部の山内智誠住宅課長は「当区は、伝統的な祭りなどの文化が根付いているエリアで、地域交流が活発だ。そのため、幼少期から地域の伝統・文化に触れられる子育て世帯が住み続けることで、地域コミュニテイーの継続・維持につなげたい」と話す。

(2026年5月号掲載)

この記事の続きを閲覧するには
会員登録が必要です

無料会員登録をする

ログインはこちらから

一覧に戻る

購読料金プランについて

アクセスランキング

≫ 一覧はこちら