【特集】非住宅ではじめる 遊休地活用ビジネス第六弾:①

土地活用その他建物

今回紹介する非住宅系土地活用ビジネスは、訪問看護ステーション、コインパーキング、スペースシェアリングサービスだ。遊休地や空きテナントの新たな活用の選択肢の1つとして、所有地を最大限に活用するための参考にしてほしい。

注目のテナント・土地活用ビジネス
長期的な収益が見込める遊休地活用

テナントや遊休地の活用は安定性が重要

日常需要に着目した土地活用 

 遊休地活用を考える際に抑えておきたいのが長期的な収益性だ。流行の新製品や新サービスは早期の収益化が狙えるが、ブーム後の収益の維持が難しい。そこで、今回は日常的なニーズに注目したことで伸びている土地活用ビジネスを紹介する。

 はな(東京都千代田区)が手掛ける「訪問看護ステーションはな」は、在宅での看取りに注力した訪問看護ステーションだ。訪問看護のニーズの高まりに対し、在宅で看取りができる環境を整えることは難しく、病院で亡くなる人が多いという。こうした市場環境を踏まえ、同社は2021年よりFC展開を開始。高齢化社会により今後は看取りの需要が高まり、より身近なものになることから注目を集めている。

 akippa(大阪市浪速区)の駐車場マッチングビジネス「akippa」は、駐車場の貸し借りをネットで簡単に行うことができる。同社は主に、イベントで不足する周辺駐車場を開拓し売上を伸長。しかし、コロナ下でイベントが無くなり、新たな需要創出の必要性に迫られた同社は、通勤などの日常利用に着目した。その施策に、HPなどで同サービスの新たな使い方を大きくPRしたところ、登録駐車場と登録会員が共に伸びたという。

 フィル・カンパニー(東京都中央区)が展開する「フィル・パーク」は、主に既存コインパーキングの上部空間を活かした商業施設だ。同施設を施工する際には、土地に最適なテナントを徹底調査し、周辺エリアの需要に合った建物を建設するという。これにより、商業ビルとしての活用が難しいとされる狭小地活用や、駐車場の上部空間での収益化が可能になる。新たな収益源として期待が持てるほか、街のにぎわいを創出する効果など社会貢献性が高いことにも注目したい。

(2024年11月号掲載)
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