国内留学で高まる寮需要 新築の青少年交流センターで地方創生を図る
自らの興味・関心に合った学校選択や、自然あふれる環境での学びを目的に、地元ではない高校に「国内留学」する学生が増えている。それに伴い学生寮を新設・増築する例も目立ってきた。
北海道福島町は、2023年2月に北海道福島商業高等学校の学生寮を兼ねた「福島町青少年交流センター新潮(にいじお)学舎」を開設。道内外からの学生の受け入れ体制を整えた。
▲福島町青少年交流センター新潮学舎の外観
男女別棟の木造2階建てで、エアコンやWi─Fiを完備した個室24室と、ゲストルーム4室を備えている。今春入学した学生のうち21人が新たに入寮希望で、現在は24室すべてが満室。寮費は食費のみで月額3万円。別途、家賃の3万円は町が負担している。
25年度以降の入学者を見越して、町はさらに個室27室を備えた建物を増築する。24年7月1日から本格的に着工し、25年度までに竣工する予定だ。
将来的には、卒業後に町内の企業へ就職するために移住・定住する人を対象に、個室の最大6室を3年程度利用できるようにする。
現在、同町教育委員会が寮の運営と生活環境のサポートを担い、ハウスマスターによる個人面談もある。清掃と食事の提供は業務委託している。
寮が新築であることや管理体制が評価されたためか、24年度の同校入学者数は3倍超増加した。同町教育委員会の小野寺則之教育長は「面談では、多くの生徒から町に来てよかったとの声も聞かれます。また、特に本州から来た生徒が地域に活力をもたらしてくれています。生徒と地域が互いに助け合い、地方創生を図ることができればと思っています」と話す。
(2024年9月号掲載)
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