札幌|市電減便の影響なく沿線の開発は活発化
外村真美オーナー

札幌市では2015年に市電の一部環状化によってその利便性が高まり、乗客数も順調に伸びています。ところが25年5月にダイヤが改正、平日の運行便数は1日あたり約20便(約8%)減らすとの発表がありました。減便の原因となった運転士不足は解消が見通せず、将来的に運行便数が戻るかどうかは不透明です。
一方で市電沿線のマンション開発が活況なこともあり、沿線人口は増加中です。これまでは天候の影響を受けにくい札幌市営地下鉄沿線の人気が根強く、市電沿線の物件価格や賃料は、地下鉄最寄り駅の物件に比べると抑えられていました。しかし、ここ数年の不動産価格上昇に伴い、市電沿線の物件でも同様の傾向が見られます。特に近年、市電沿いで開発されているファミリー層向けのマンションは、比較的間取りなどに余裕があり、かつ価格も手の届きやすいものがあることから人気が高まっています。
市電駅前にある札幌静修高等学校の跡地の一部に商業施設やマンションの開発計画が持ち上がるなど、市電沿線には今後も注目が集まりそうです。しかし、日常的に市電を利用する市民からは、今回の減便により「混雑がさらに深刻化する」との声が上がっており、対策が急がれます。
(2025年 7月号掲載)
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