土地活用の方法として、賃貸経営を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。しかし、入居者を確保し安定した賃貸経営を続けるためには、周辺の競合物件の状況や地域の賃貸ニーズといったさまざまな情報の収集とそれに基づく戦略が必要不可欠です。
そこで、国土交通省の「建築着工統計調査報告・住宅着工統計」で、2024年に東京都エリアにおける貸家(賃貸住宅)の新築着工数をみることで、同エリアの賃貸市場の状況を探ります。
東京都での土地活用、賃貸住宅の新築着工数は前年比約7%減

国土交通省では建築基準法に基づき、全国の建築物の着工状況を明らかにするため建築主から都道府県知事に提出される建築工事届を集計し「建築動態統計調査」として毎月公表しています。その中で、特に新たに建築された住宅に関する調査結果をまとめたものが「住宅着工統計調査」です。
同調査結果によると、東京エリアで24年に着工した住宅の戸数は12万3091戸。そのうち賃貸住宅は6万5433戸でした。23年比で見ると全体では4.1%の減少しており、賃貸住宅も6.9%の減少となりましたが、利用関係別では24年に着工した新築住宅のうち5割以上を占めました。
東京都で新築賃貸住宅による土地活用は、鉄筋コンクリート造が最多
東京都の24年の賃貸住宅着工数を構造別に見てみると、最多だったのは鉄筋コンクリート造で3万6543戸。全体の55.8%を占めました。次いで木造が1万4712戸(22.5%)と続き、以下は鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造、その他という結果でした。
人口の多さや住宅の密集度などを踏まえると、建物の耐久性・防音性・気密性などをより一層考慮する必要がある東京都。これらの点において優れている鉄筋コンクリート造は、選択されやすいと考えられます。

新築賃貸住宅の建て方別、東京都では共同住宅が約9割を占める
次に建て方別でも見てみたところ、共同住宅が5万8388戸でした。これは東京都で24年に着工した賃貸住宅のうち89.2%を占めています。長屋建ては6408戸(9.8%)、一戸建ては637戸(1.0%)に止まりました。
東京都では、限られた広さの土地を有効活用する必要があります。そのため、賃貸住宅による土地活用においては、一戸建てや長屋建てよりも共同住宅が選ばれることが多いようです。

東京都の新築賃貸住宅の傾向を知って、納得のいく賃貸住宅建築を
国交省の資料から、東京都では鉄筋コンクリート造の共同住宅が主流である様子が見て取れました。
人や企業が多く集まり、土地代や家賃の高騰が続く東京都。共同住宅へのニーズが高くなるのは必然と言えるかもしれません。ただ、新築住宅着工総戸数や新築賃貸住宅戸数は23年から減少しました。「東京都では、ある程度の広さがある土地の確保が難しい」といった声もあり、東京都での土地活用については賃貸住宅以外の選択肢も検討する必要があるのかもしれません。
競合も多い東京都だからこそ、しっかりとした情報収集や準備が必要です。活用を考える土地のエリア的傾向をより詳細に把握し、納得のいく不動産投資を実現しましょう。
(2026年3月6日更新)

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