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カーシェア市場8割の業界ナンバーワン企業
駐車場や賃貸住宅のオーナーへ土地活用提案
1台の自動車を複数の会員が共有して利用するカーシェアリングの会員が近年増えている。現在国内で運営されているカーシェア企業のトータル会員数は560万人を超すという。このカーシェア市場でのトップ企業は「タイムズカー」を展開するタイムズモビリティだ。同社では、月極駐車場や賃貸住宅を所有する不動産オーナーに対して、新たな土地活用としてのカーシェアの提案を行っている。
タイムズモビリティ(東京都品川区)
三毛智恵子広域開発部長

業界唯一47都道府県で展開
コインパーキングの「タイムズ」の敷地内で「カーシェア専用」のスタンド看板を目にすることはないだろうか。カーシェアリングサービスのタイムズカーは、これまでタイムズパーキング内にカーシェアステーションがあった。だが、近年は賃貸住宅や月極駐車場を中心とした駐車スペースへの配備を強化し、規模を拡大している。2月末時点で、ステーション数は2万7585カ所、車両台数は6万4983台に上る。47都道府県にカーシェアのステーションがあるのは、タイムズカーのみ。同社によると、車両台数ベースの市場シェアは約8割と、圧倒的な地位を築いているという。
タイムズモビリティの会員数は361万6000人(2025年10月末時点)で、前年から58万4000人増加しており、2年前と比較すると119万3000人増加している。会員の個人と法人の割合は、個人が62・8%、法人が37・2%の比率で、圧倒的に個人会員が多い。

業界トップのタイムズカー
カーシェアの利用は至って簡単だ。入会後、パソコンやスマートフォンで予約。予約した車は、アプリや会員カードでドアを解錠できる。車内にある車のキーを取り出したら、運転開始となる。レンタカーと異なり、ガソリンを満タンにして返す必要がない。車内の燃料計が半分程度に減った場合には、車内に設置している専用の給油・洗車カードを使用して満タンまで給油する。給油料金の自己負担がないのだ。また車の汚れが気になる場合は、水洗い洗車も同カードで対応。給油・水洗い洗車を行うと、料金割引が受けられる仕組みになっている。
不動産情報サイトと情報連携
同社では不動産オーナーに対して、カーシェアによる新たな土地活用を提案している。所有敷地内にカーシェアを設置するメリットは、主に3つある。
1つ目は安定収益だ。例えば、オーナーが所有する月極め駐車場に空きがある場合、カーシェアステーションとして借りてもらえれば、利用状況に左右されず、毎月一定の賃料収入が得られる。導入時に必要なライン引き、看板設置などの工事費用はタイムズモビリティが負担。また運営費もタイムズモビリティ負担のため、原則オーナーの負担はない。
2つ目は物件の差別化だ。所有する賃貸住宅にカーシェアのステーションを設置することで入居者の利便性が高まり、リーシングにおけるアドバンテージとなる。実際近年では、部屋探しの際に、近隣にカーシェアステーションがあることを重視するケースも出てきているという。同社では25年10月に不動産情報サービス「athoⅿe」の物件詳細ページにおいて地図上にタイムズカーのステーションを表示できるように情報連携を開始した。両社は、カーシェアを利用したい人にとっては、部屋とカーステーションの位置を同時に調べることができる点がメリットになると考えて情報連携に至ったという。なお不動産情報サイトの「SUUMO」とも10年ほど前に情報連携している。
3つ目は、違法駐車対策だ。デッドスペースをステーション化することで、違法駐輪・駐車を防止できる。
カーシェアの契約形態は通常1〜2年の賃貸借契約。機器設置がなく、初期コストがさほどかからないため、解約ペナルティーは設定されていない。開設場所としては、都市部のほうが圧倒的に出店余地はあるが、郊外にも可能性はあるという。
「出店については、500m四方の『メッシュデータ』を用いて、既存拠点の稼働状況や会員属性を分析して出店可否を精査しています」(三毛智恵子広域開発部長)
法人会員獲得を強化
パーク24グループは、鉄道、バス、タクシーに次ぐ「第4の交通インフラ」として、カーシェアの地位確立をビジョンに掲げて展開する。
そのためには、まず中小企業向けのプロモーションを強化し、ビジネスでの利用拡大を狙う。23年から法人会員獲得のためのテレビCMを放映。タイムズカーの活用により、中小企業の営業機会の損失低減、営業活動や経理事務の効率化が期待できることを訴求している。個人会員の比率が圧倒的に多い同社では、法人会員を増やすことで、平日稼働の底上げを図る。

26年はWebCM「スイスイゴー」をキャッチコピーにして法人向けにプロモーション
また、電車と組み合わせた「レール&カーシェア」のサービスも展開。タイムズカーでは独自のサービスとして、新幹線や特急など鉄道の乗車履歴とシステムを連携してカーシェア利用料が割り引きされる「交通ICレール&カーシェア」も展開。渋滞回避のため最寄り駅までは電車を利用し、その後の移動はカーシェアを利用するというビジネスパーソンも目立ってきているという。
同社では運転免許保有者の約半数にあたる約4000万人を個人会員数のターゲットに据えている。今後も未利用層の獲得を図るべくサービスの充実を図るとともに、さらなる拠点・台数の増加を推進する。
タイムズモビリティの会員調査によると、若い層を中心にカーシェアの利便性に注目している人が多いことがわかる。
入会の動機としては、個人が「自家用車を手放した」(27%)や「住環境の変化」(20%)が上位を占めている。特に都心部では、駐車場代が高く、利用頻度に対して車の維持費が家計の負担になっているケースは少なくない。車を手放して維持費分を住居費用に充てるという傾向も出てきているようだ。一方、法人では「移動効率の向上」(58%)や「車両維持費の削減」(42%)を目的としている。
会員の年代を見ると、20代以下が33%と3分の1を占め、次に多いのが50代で27%となっている。20代が多く、大学周辺への車両配備にも力を入れてきた。学生には通常880円(税込み)かかる月額基本料金を入会後4年間は無料として、利用しやすさを訴求している。「若い時からカーシェアの利便性を知ってもらうことが狙いです」と同社の三毛広域開発部長は話す。
(2026年6月号掲載)






