<<【連載】眠っているお宝 目の付けどころ:vol.19>>
和楽器
日本で伝統的に使われてきた楽器である和楽器。現在の演奏人口は減少傾向だが、愛好家や演奏者は一定数いるため中古市場での需要もある。家の片付けや相続、空き家整理で出てきた場合は、処分してしまう前に専門事業者へ相談したい品目だ。
和楽器や美術品の出張買い取りを行う「新栄堂」の水村公太代表は「一番買い取り依頼が多いのは琴です。大きくて場所を取るため、弾かなくなった人からの処分したいという相談が多いですね」と話す。

柾目の琴。木目が直線で真っすぐにそろった、最高級のきりを使用している
主に買い取り可能なのは演奏用
琴には稽古用と演奏用のものがあり、値段が付くのは基本的には演奏用だ。査定では作家や希少性に加え、装飾や木目なども評価の対象になる。また内部の彫りは音の反響に関わるものであるため、特に「麻型彫り」や「あや杉彫り」などの細かく複雑なものは希少性が高い。さらに太く真っすぐで節のない樹齢60年以上の原木から切り出された「柾目」の琴は、木の密度が高いため音質が良く、演奏家の間で人気がある。
「しかし琴はきりでできているため虫食いなどが起きやすく、劣化が早いです。使用しなくなったら、早めの売却を検討したほうがいいでしょう。先日も琴教室を運営していた人から10面分の査定依頼がありましたが、買い取れたのは1面だけでした」(水村代表)
琴の次に査定依頼が多いのは三味線だが、査定の要となるのは「棹」の材質だ。最も高級なのは「紅木」。また棹全体に美しい木目(トチ)が出ているものや、継ぎ手部分に金を使った「金細」という技法が施されたものは高価買い取りが期待できる。そのほかの材質である「紫檀」は中級品、安価な「花梨」は稽古用として扱われ、買い取られないことも多いという。
尺八は琴や三味線に比べ査定依頼は少ないが、需要は残る。場所を取らない大きさであるため複数本所有する愛好家も多い。高値が付くのは著名な工房や作家の品で、製作者が作品に刻んだ屋号や作者名である「銘」が尺八の価値を決めるうえで重要だ。また歌口に水牛の角や象牙が使われたものは、50万円以上の査定額になる場合もある。

演奏家から買い取った真竹製の尺八。複数本所有する演奏家や愛好家が多い
「和楽器は種類を問わず、稽古用には値段が付きにくく、舞台用・演奏用のほうが買い取られやすいです。状態や付属品の有無などによっても査定額が変わります。本来の価値をきちんと査定できる、和楽器専門の買い取り事業者に相談してほしいですね」(水村代表)
新栄堂(埼玉県新座市)
水村 公太代表

古物市場で研さんを積み、和楽器と骨董を専門に扱う新栄堂を立ち上げた。20代ながら、鑑定数の多さと和楽器への造詣の深さには定評がある。
■会社情報
2024年創業。関東圏を中心に和楽器と骨董品の出張買い取りを行っている。おのおの得意分野を持つ経験豊かな鑑定士が在籍する。






