<<新土地活用>>
1日平均約300台利用の行列ができる洗車場
サブスク型で展開、開業初月に会員2000人
土地活用として近年にわかに注目されている洗車場。ガソリンスタンドの減少などにより洗車する場所が減少し、その需要が拡大している。Splash Brothersが運営する「スプラッシュンゴー」は、1日平均約300台の利用があり平日昼間でも行列ができる人気洗車場だ。現在8店舗を展開しているが、今後フランチャイズチェーン(FC)展開を推進して、店舗数の拡大を計画している。
Splash Brothers(群馬県前橋市)
岡村昌輝取締役

月額980円で洗い放題
群馬県内のロードサイドに、平日の昼間から車が5〜6台行列を成す場所がある。洗車専門店の「スプラッシュンゴー高崎棟高店」だ。行列の先にあるのはトンネル型連続洗車機で、3分ほどの短時間洗車が可能な洗車機と、サブスクリプション(定額課金)型の低料金プランを組み合わせることで利用者を獲得している。
スタッフの案内により車を洗車機の中に入れると、コンベヤーが自動的に車を洗車機内で移動させ、高圧洗浄、下部洗浄、はっ水コーティング、強力なブロワー乾燥といった、すべての工程が3分で完了する。

平日の日中も行列ができる
この手軽さ、スピード感に加えて利用料金の安さが人気の理由だ。エリアによっても相場は異なるが、一般的な洗車機を使った場合、シャンプーとはっ水剤、下部洗浄、純水仕上げでおよそ1000円を超えるのが相場の中、同店は1回の利用料金が600円から、さらにサブスク型を利用すれば、月額980円からと安い。
「高単価・低頻度・手間のかかる『年に数回の洗車』を、サブスクの導入によって安価・高頻度・超時短の『日常的な洗車体験』へと転換しました。心理的・物理的なハードルを劇的に下げることで、洗車の習慣化を促進しています」と同社の共同創業者である岡村昌輝取締役は話す。
週末ともなると、20台以上の行列は珍しくないほどの人気ぶりだという。

サブスク料金980円から利用できる
- インスタグラムやユーチューブなどのSNSも開設
- 目を引くスタッフユニフォーム
同社が1号店を群馬県内にオープンしたのは2020年。5年で8店舗になり、会員数は26年8月11日時点で2万3000人を突破した。サブスク継続率は94%、月平均利用回数は2・7回。1店舗あたりの月間洗車台数は約1万台に達するほどの高回転を実現している。
顧客層は女性会員が52・3%を占める。一般的には男性の利用が多い洗車場だが、日常的に利用する女性を中心に幅広い層から支持を得ている点が特徴だ。
無料体験で会員を獲得
同社では、海外メーカーのトンネル型連続洗車機を採用しており、1時間に最大60台を連続で洗えるという。また全店舗で純水装置を導入しているため、乾いても白い水跡が目立ちにくい仕上がりを実現。拭き上げの手間が省け、そのまま帰ることが可能な手軽さも支持されている。
新店舗を新規に出店する時には、「初月39円」や「1カ月間完全無料」といった強烈なキャンペーンをプレオープン期間に実施する。それにより、初期の認知と会員獲得を爆発的に加速させている。

まず体感してもらうことを目的に39円で利用できるキャンペーンを実施
「まずは体験していただくことが重要です。価格施策により、使い放題の体験を入り口にして、『車はさっと洗うのが当たり前』という利用習慣をつくります。無料開放により地域での認知と来店数を確保し、開業直後からのサブスク会員獲得につなげています」(岡村取締役)
さらにSNS投稿にも注力しインフルエンサーとの連携や口コミによる拡散を図っている。
この集客ノウハウが蓄積され、1号店は会員2000人を獲得するまでに46カ月かかったが、今年オープンした2店舗は1カ月で達成できているという。
400坪以上の土地を活用
出店については、同社のFC加盟事業者が地主から土地を借り、営業する。土地面積は400~800坪。直線距離を確保しなければならないため、最も重要な制約として、40m以上、または洗車機によっては45m以上の土地の長さが必要となる。
商圏評価においては、単なる交通量だけでなく、「車が日常の足になっている」エリアであることを重視。幹線道路沿いの場所が狙い目だという。行政によっては市街化調整区域でも出店可能だ。

敷地内に車が行列できるスペースを確保
- 道路から目立つ看板
- 40m以上ある長い洗車機
なおFCとして土地所有者が加盟する場合の開業費用は、400坪モデルで8460万円(税別)から。月6000台の利用の場合、月間営業利益は101万円で投資回収期間は約7年、月1万台の利用の場合は、月間営業利益が217万円で投資回収期間は約3年と収益性も高い。

洗車の様子
「当社は、単なる洗車場ビジネスではなく、日本の洗車文化そのものを再定義しようとしています。そのため、競合を排除するのではなく、むしろ同様のサービスが全国に増えることで『トンネル型連続洗車機』という市場を成熟させていきたいと考えています。車を愛する人だけでなく、移動手段として利用するすべての人にとってのインフラとなることを目指します」(岡村取締役)
(2026年10月号掲載)










