広島|人を見る金融機関から選ばれる家主に
豊田裕之オーナー

7月11日、「シシンヨー」の愛称で親しまれている広島市信用組合の前理事長・山本明弘氏が80歳で亡くなりました。1968年の入組以来「融資一筋」。2026年6月に理事長を退任し理事最高顧問に就いた、その直後の訃報でした。
シシンヨーといえば「融資の可否は原則3日以内に回答」というスピード経営で全国に知られる存在です。投資信託や保険の販売には一切手を出さず、預金と融資という本業に徹する。赤字や債務超過の企業でも決算書だけで判断せず、経営者の本気度を見て貸すという現場主義を貫いています。不動産投資への融資にも積極的で、金利の面では考慮が必要なものの、物件購入の際に真っ先に相談できる心強い金融機関です。
不動産向け融資が上昇局面に入った今、地方銀行の基準金利が3%を超える例も出てきました。しかも金利上昇で借り手の返済余力が細るとみられれば、自己資金の積み増しや融資期間の短縮が求められることもあります。
貸し手による選別が厳しくなる時代だからこそ、決算書の数字より経営者その人を見るという山本氏の流儀は示唆に富みます。私たち借り手側も、物件の目利き力と財務の健全さ、そして賃貸経営への本気度を磨き、金融機関に選ばれる家主であり続けたいものです。
(2026年11月号掲載)






