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※この記事は地主と家主(旧家主と地主)2023年11月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。
<<入居者との思い出>>
日本中がマスク不足のさなかに
無料で提供した中国人夫婦
新型コロナウイルスの感染が拡大し、緊急事態宣言が発令された2020年4月。日本ではマスク不足が深刻化し、国から全世帯に配布されるなど社会問題となっていた。そんなとき、麻生茂樹オーナー(千葉県成田市)が自宅近くに所有する14戸のマンションでは、中国人の入居者が同じ建物の住人に向けて、マスクの無料提供を行った。
麻生茂樹オーナー(千葉県成田市)
- ▲物件は京成電鉄本線公津の杜駅から徒歩10分。隣駅は同線京成成田駅のため、入居者は成田空港や航空会社勤務の人や外国人が多い
「日中合弁の航空会社で働いている20代後半のご夫婦が『よかったらお使いください』というメモ書きを添えて、エントランスに箱入りのマスクを大量に置いてくれていたのです」と話す麻生オーナー。
ドラッグストアの棚からマスクが消え、インターネット上では驚くような高値で取引されており、誰もがマスクを求めていたときだった。そのため、早朝に掃除をしようと物件に行ってマスクの箱を見たときは、目を疑ったという。
皆が不安な日々を過ごしている中での、他者を思いやる行いに感激した麻生オーナーは、中国人夫婦の親切に何とか報いる方法はないかと考えた。そして、ほかの入居者らがお礼の言葉を書けるように、エントランスの掲示板にA4サイズの色紙を張ることにした。すると多くの入居者が「ありがとうございました」「本当に助かりました」などとお礼の言葉を色紙に書き込んだ。
また、この出来事を管理会社とも共有したいと思った麻生オーナー。管理会社にも連絡し、お礼の言葉を書いてもらった。すると後日、色紙の最後に中国人夫婦からたどたどしいながらも一生懸命書いたと思われる日本語で「どういたしまして」と書き込まれていたという。
「感謝の言葉でいっぱいになった色紙は、ご夫婦に渡しました。入居者同士の交流は少なかったのですが、困ったときは助け合うという気持ちに、国や人種の違いはないのだと教えられました」(麻生オーナー)
(2026年10月公開)

コロナ禍での入居者同士の助け合い
新たな幸せ手に入れ、笑顔で退去



