沖縄|地域に還元する視点で需要の波を読む
仲田哲善オーナー

近年、賃貸アパートの供給不足と家賃上昇が続く県北部の名護市。背景には、普天間基地の辺野古への移設に関連する工事に伴う需要に加え、大型テーマパーク「ジャングリア沖縄」の開業前後を通じた従業員の住宅需要の高まりなどがあります。
実際に名護市では、学生の住まい確保にも影響が出るほど賃貸物件不足が深刻化。おきぎん経済研究所が毎年発表している「賃料動向ネットワーク調査」によると、同市の入居稼働率は2021年の94・2%から24年には99・7%へ上昇し、需給逼迫は数字にも表れています。
しかし、市場を足元の需要だけで判断すると大きな読み違いを生むことがあります。現在の需要には一時的な高まりが含まれている可能性が排除できません。実際、名護市内でも地域によって人口動態に差があり、将来的な人口減少が懸念されるエリアがあるのです。
賃料上昇はオーナーにとって収益改善の好機となる一方で、地域住民が住み続けにくくなれば、地域全体の活力低下にもつながりかねません。そこで求められているのは「地域に必要とされ続けるかどうか」という視点だと思います。需給が逼迫する今だからこそ、長期的な市場変化を見極めた不動産経営戦略が必要なのではないでしょうか。
(2026年8月号掲載)






