地元オーナー発信―半導体事業投資が与える衝撃(広島)

賃貸経営トレンド

広島|半導体事業投資が不動産市場に与える衝撃

豊田裕之オーナー

 7月、米半導体大手のマイクロン・テクノロジーが東広島市の広島工場で新製造棟の起工式を行いました。AI向け次世代メモリーなどの量産に向けた総投資額は約1兆5000億円。国家規模のプロジェクトです。

 この工場の前身はエルピーダメモリでした。経営破綻から14年、AIブームの主役として復活を遂げたことは感慨深いものがあります。

 新棟の稼働で1000人超の新規雇用が見込まれるうえ、同社はJR山陽本線西条駅近くに約300人規模のオフィスも開設し、建設業界では土地と職人の争奪戦が過熱していると報じられています。地元の不動産市場を見ると、同駅周辺のアパート・マンションの入居率は跳ね上がっているようです。

 また東広島市では、2035年までの10年間で約1万人の人口増加が見込まれ、転出超過に悩む県内のほかの地域とは別世界のような様相を呈しています。呉市のディスコ新工場と同様、半導体工場への大型投資が県内賃貸市場の勢力図を塗り替えつつあります。

 もっとも、供給ラッシュの反動や半導体市況の変動といったリスクも無視できません。エルピーダメモリの浮沈を間近で見てきた地元オーナーだからこそ、この追い風を冷静に生かしたいところです。
(2026年10月号掲載)

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