<<海外各都市の不動産投資>>
オーストラリア・タウンズビルの不動産事情
ケアンズより手頃な住宅価格

オーストラリア大陸の北側は、その広大な面積に対して人口が非常に少ないのですが、その中で最大の都市が、タウンズビルです。人口は20万人余り。珊瑚海に面した熱帯気候の都市で、大きな軍港があります。
タウンズビルとよく比較されるのが、さらに北方にある観光都市のケアンズです。ケアンズの人口は17万人台で、タウンズビルと規模が近いですが、両都市の地形や産業、不動産マーケットの状況は全く違います。
ケアンズはリゾートとして有名で、日本をはじめアジア各国と直行便で結ばれています。国際的に知名度が高く、近年は航空産業にも力を入れています。一方でタウンズビルは海外観光客に大きく依存せず、軍事、教育、医療、製造といった多様な分野の経済基盤を持ち、地味なイメージながらオーストラリア経済を支えています。

夜の海辺の繁華街
両都市を比べると、平均世帯所得はタウンズビルのほうが高いのに、不動産の平均価格はケアンズのほうが高いのです。それには地形が関係しています。ケアンズは海と山に囲まれ平地が乏しく、地価が高騰しやすい一方で、広い平地のあるタウンズビルは、人口が増えれば新たな宅地が開発されるため地価が上がりにくく、住宅価格は手頃です。またケアンズでは住宅全体の16%が集合住宅ですが、タウンズビルでは7%にとどまり、土地付き一戸建て中心の街といえます。
人口増加で宅地拡大を予測
ファミリーで住む平均的な土地付き一戸建ては、土地600㎡前後、寝室3~4部屋で、70万~80万豪ドル(8000万~9000万円)のイメージです。同じ値段で買う場合、タウンズビルのほうがケアンズよりも部屋数が1つ多く、グレードの高い住宅に住めます。ほかの都市に住む投資家は、土地が希少で値上がり益を狙いやすいケアンズを好む傾向がありますが、タウンズビルは中心地近くでも手頃な価格で戸建てが買えるというメリットがあります。

タウンズビル郊外のショッピングモール付近
タウンズビルの人口は増加傾向で、2046年までに6万~7万人増えて26万人台に達すると予想されています。今後増える人口に対応できるだけの宅地がタウンズビルにはあり、市街地は西方向、南方向の郊外に向けて広がっていくでしょう。
タウンズビルの不動産投資は狙いが絞りにくいですが、中心地に近いノースワードやアナンデール、北西部の郊外にある、海に面したブッシュランドビーチなどが好まれています。
アジア太平洋大家の会
代表 鈴木 学

[PROFILE]
海外不動産に精通し、6カ国語を操るアナリスト。国際不動産エージェントの取締役としても多数のセミナーを主催する。自身も6カ国で物件を所有し、投資・経営を行うグローバル家主。
(2026年11月号掲載)






