ミスマッチを避ける、クルーズ選びのこつ

コラム人生に船旅

<<人生に、船旅という選択を ~大人のためのクルーズ案内~ >> 第4回

その船、本当にあなた向き?
ミスマッチを避ける、クルーズ選びのこつ

 「クルーズ船に乗ってみたいけれど、何から始めればいいかわからない」。初めての人からよく聞く言葉だ。世界には数百隻ものクルーズ船があり、航路や日数、船の雰囲気もさまざま。まずは「誰とどんな旅をしたいか」を考えるのが第1歩だ。

ドレスアップや社交ダンスを存分に楽しめる「クイーン・エリザベス」

 例えばファミリーや3世代での旅行なら、夏休み、ゴールデンウイークを利用した日本発着クルーズがおすすめ。飛行機を使わずに乗船でき、日程も比較的短い。一方、夫婦でゆったり過ごしたいなら、ラグジュアリー船で海外を巡るのも魅力的だ。

有資格者のいる旅行会社で
相談しながら決めよう

 「少し張り切り過ぎましたね」。以前、船内でそんなご夫婦に出会った。ご主人はタキシード、奥さまは華やかなカクテルドレス。とてもすてきではあったが、乗っていたのはファミリー向けの大型客船で、周囲は子どもも多く、皆比較的カジュアルな装い。しかもそのご夫婦は船の最上級客室に滞在しているという。

クイーン・エリザベスの「ブリタニア・レストラン」。優雅なしつらえの中、毎晩ドレスアップしてコース料理を味わえる

 その予算なら、2人にもっと似合う落ち着いた船もあったはず。クルーズは料金や日程だけで選ぶと、こうしたミスマッチが起こることがある。物件でいえば、落ち着いた暮らしをしたい熟年夫婦が、条件や間取りだけで選んで、夜までにぎやかな繁華街で暮らすようなものだ。

 こうしたミスマッチを避けるため、初クルーズならクルーズ専門の旅行会社で相談しながら選ぶのがおすすめだ。船の雰囲気や客室選び、寄港地まで含めて相談したい。

 

 旅行会社選びの目安になるのが、一般社団法人日本外航客船協会認定の「クルーズコンサルタント」や、上位資格の「クルーズマスター」の資格を持つスタッフの存在。有資格者がいる旅行会社なら、安心して相談できるだろう。

人気コースは早めに予約を
2年以上前に開始の場合も

 予約開始の時期は思っている以上に早い。外国船は2年以上前、日本船でも1年以上前から予約が開始されることが多い。ゴールデンウイーク、夏休み、年末年始は発売直後から埋まり始め、数の少ない上位客室や4人以上で滞在できる客室は、特に早く埋まる。

パーティーが好きなら大型船へ。「MSCベリッシマ」の「ホワイトパーティー」のドレスコードは「白」。毎回大盛況だ

 「先の予定は決められない」と思うかもしれない。しかし「まず予約する」という逆の発想をぜひ。クルーズでキャンセル料がかかるのは、出発90日前ごろからが多い。それまでは無料でキャンセルできるため「予定が決まったら予約する」より「先に押さえておく」ほうが希望のコースや客室を確保しやすい。

 実際、2年以上先のクルーズを予約している人は少なくない。そんな人は大抵、目をキラキラさせてこう語るのだ。「2年先まで、楽しみに待っていられるんです。そのクルーズを励みに、毎日を過ごしています」

華やかなショーもMSCベリッシマのような大型客船の魅力


海事プレス社「CRUISE」 吉田 絵里 編集長

1999年、早稲田大学卒業。607日間の世界一周旅行を経て旅行メディアの世界へ。2010年、海事プレス社入社、15年より日本初のクルーズ専門誌「CRUISE」編集長。国内外クルーズラインの取材、誌面制作を幅広く手がけ、「WEB CRUISE」の運営も担う。


(2026年10月号掲載)

一覧に戻る

購読料金プランについて

アクセスランキング

≫ 一覧はこちら