希少性のあるブランドのピアノは高値に

コラム眠っているお宝

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ピアノ

 高度経済成長による所得の増加を背景に、日本では1970年代後半から80年代前半にかけて、ピアノが習い事として大流行した。80年には国内で年間約39万台のピアノが生産され、これがピークとされている。

「誰も使わなくなった実家のピアノを買い取ってほしい、というお電話をよく頂きます。30~50年前のものが多いですね。ピアノは古くても買い取れないわけではありません。ブランドや状態が重要です」と話すのは、日本ピアノホールディングの菊地翔太社長だ。同社ではピアノの下取りや買い取りを行い、修理・整備した再調整ピアノを国内で販売している。

▲ブランドや製造年のほか、響板やアクションの状態、外装、モデルなどによって査定額が大きく変わる

 菊地社長によれば、世界で広く流通しているアコースティックピアノのブランド数は、500以上存在している。国内ブランドで値段が付きやすいのは「ヤマハ」と「カワイ」だ。買い取り価格は製造年やグレード、響板やアクション、外装などの状態によって変わる。国内メーカーの量産品の場合は出張査定をしなくても、電話でのヒアリングや、申し込みフォームでメーカー名や製造番号などの必要事項を入力すれば、査定価格を確認できるという。買い取り価格は通常2万~十数万円程度だ。

希少性のあるブランドは高値に

 国産品で高値が期待されるのが、希少性のあるハンドクラフトピアノだ。名工・大橋幡岩が1958年に創業したメーカー、大橋ピアノ研究所が製造した「OHHASHI」は、生産総数が極めて少なく、「国産ハンドクラフトピアノの最高峰」「幻の国産ピアノ」とも呼ばれる。日本ピアノホールディングでは、同ブランドのものであれば60~70年代製の古いピアノでも、20万円前後で買い取ることがあるという。

 世界に目を向けると、代表的な高級ピアノブランドに、米国の「スタインウェイ・アンド・サンズ」やドイツの「ベヒシュタイン」、オーストリアの「ベーゼンドルファー」などがある。正式な買い取り価格は製造年やモデル、状態を専門家が確認して決めるが、新型コロナウイルスの感染拡大以降、欧米製ピアノの価格は高騰しており、スタインウェイ・アンド・サンズのグランドピアノなら、古い年式でも200万円以上で買い取られることもある。

 売却する際は、型番や製造番号などを基にインターネットで買い取り価格の相場を調べたうえで、複数の専門事業者に査定を依頼するといい。「さらにピアノの買い取りで考慮する必要があるのが搬出費・運送費です。当社ではこれらの費用も含めて査定額を算出していますが、店によって異なります。依頼時に、必ず確認することをおすすめします」(菊地社長)

お話を聞いた鑑定のプロ

日本ピアノホールディング(群馬県高崎市)
菊地翔太社長

祖父が創業した同社に入社し、2025年に社長に就任。修理・整備した再調整ピアノを国内に循環させる事業に注力している。

■店舗情報

1974年創業。新品・中古ピアノの販売のほか音楽教室やコンサートホールの運営も行っている。

(2026年11月号掲載)

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