<<人脈と世界が広がる馬主道>>
第9回 【実践者対談】ITコンサルタント・古川裕氏
「馬券を買ったことがない」馬主
1年目に愛馬が重賞レースに出走
今、不動産オーナーの間で、競走馬の所有を「事業」と捉え、資産形成の柱の1つに据える動きが広がりつつある。今回は、馬主歴約1年で所有馬の3連勝と重賞出走を経験し、先日ついに不動産事業も開始した古川裕氏(38歳・大阪府在住)に、話を聞いた。
競走馬4頭を所有する
仲尾 それでは「馬主・家主の実践者対談」を始めます。まずは自己紹介をお願いします。
古川 古川裕です。38歳、大阪府在住で、本業はITコンサルタントです。仲尾さんと出会ったのは2年ほど前で、その頃から馬主や家主の話を聞いており、非常に面白いと感じていました。1年ほど前に馬主事業を本格的に始め、最近、不動産事業もスタートさせました。現在は競走馬を4頭所有し、名古屋に3頭、船橋に1頭います。不動産は仲尾さんに協力していただきながら中古戸建てを安く購入し、リフォームを進めているところです。
「ペットが稼いできてくれる」
仲尾 2年前までは馬にも不動産にも着手していなかった古川さんが、競走馬で素晴らしい成績を残し、不動産事業でもデビューしました。馬主を始めようと思った理由を聞かせてください。
古川 私はもともと競馬が好きだったわけではなく、馬券もこれまでの人生で一度も買ったことがありませんでした。きっかけは、仲尾さんのコミカルなお話と、実際に大きな利益が出ているという事実です。自分のペットのような感覚で馬を所有し、その馬が走る。すごく簡単に言えば「ペットがお金を稼いできてくれる」という感覚で、面白そうだと思ったのが始まりです。
仲尾 始めるにあたって不安はありましたか。
古川 もちろんありました。これは投資ですから、馬がけがをしたり、レース中にトラブルが起きたりしたときに損失を被るのではないかという不安です。「この馬は何歳まで走るのか」なども含め、何もわからない状態でした。ドキドキ、ワクワクしながらも、大きな不安はありましたね。

名古屋競馬で勝利した古川氏(右から2番目)の愛馬ロングトーン
共通点は「増殖する」資産
仲尾 不動産と馬には、共通点があると思いますか。
古川 一番の共通点は、利益を次の投資に回して事業を拡大させられることです。1頭目の馬が非常にラッキーなことにデビューから3連勝してくれて、月利100%という数字が出ました。そこで生まれたお金を散財するのではなく、2頭目の購入代金に充てることができた。1頭が2頭になることで、可能性がさらに広がりました。不動産も同じで、1件目で利益が出れば、それを担保にしたり2件目の足掛かりにしたりできます。事業を拡大させ、資産を増殖させていけるところが、非常に面白いと感じています。
もう1つは「不労所得」の仕組みです。馬主事業では、自分自身が馬の世話をするわけではありません。調教師や牧場主が頑張ってくださることで、私がその場にいなくても事業が回っていく。不動産も今後、同じような流れになっていくことをとても楽しみにしています。
賞金1000万円の重賞レース
仲尾 最も印象に残っている出来事やレースを教えてください。
古川 出来事としては、ジョッキーや馬主との交流会です。普通に生きていたら、ジョッキーと食事をしたり有名な馬主と交流したりする機会はなかなかありません。自分の馬に乗ってくれているリーディングジョッキーと肩を組んで写真を撮れたのは、本当にいい思い出です。

古川氏(左)と北海道の競り会場にて。知識が増えると馬の見方が変わる
レースでは、やはり重賞ですね。「ロングトーン」という馬が3連勝した後、いきなり1着賞金1000万円の重賞レースに出走しました。結果は6着でしたが、あれだけ大きな舞台で、多くの人が競馬場まで足を運んで自分の馬を見てくれた。これまでにないほど興奮する出来事でした。悔しさもありましたが、「あの舞台で勝つ」という次の目標をつくってくれたレースだったと思っています。
競り会場で成長を実感
仲尾 今、ちょうど一緒に北海道の競り会場に来ています。実際に来てみていかがですか。
古川 競り会場に来たのは2回目ですが、血統や速い馬の特徴、タイム感などが前回よりもわかるようになってきたと感じます。知識が身に付いたことで、牧場主や調教師との話にもついていけるようになった。自分の中での大きな成長だと思っています。
また現在は繁殖という形で生産にも取り組んでいます。その生産馬が、抽選に当たれば「プレミアムセール」や「セレクションセール」に出られる可能性もあり、これからがより楽しみです。
目標は「本業並みの不労所得」
仲尾 今後の目標を聞かせてください。
古川 馬主としては、今後も馬を購入していき、大小を問わず、まずは重賞レースを1つ勝つことが目標です。家主としては、まず1件目の事業を軌道に乗せ、それを足掛かりに規模を広げていきたい。ゆくゆくは、本業と同じくらいの収入を不労所得だけで得られる状態にしていきたいと思っています。
馬主には「ロマン」がある
仲尾 最後に、この記事を読んでくださっている不動産オーナーの方々へメッセージをお願いします。
古川 私は競馬もギャンブルも一切やらないタイプでした。ただ、馬主はそういった競馬の見方とは全く違い、本当にロマンを感じられる世界です。馬を通じて、ジョッキーや調教師だけでなく、厩務員やほかの馬主ら、いろいろな人とのヒューマンドラマを楽しむことができます。ぜひその世界をイメージするために、テレビドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」を見て、一緒に馬主を始めていきましょう。
仲尾 今回は、馬主は単なる道楽やお金の無駄遣いではなく、しっかりと事業化できるというお話を聞くことができました。古川さん、本日はありがとうございました。

(2026年11月号掲載)






