【連載】家主の賢いキャッシュフロー改善:10月号

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税金を抑える
~支出を伴わない控除 障害者控除~

 キャッシュフローを改善するためには、①収入を上げる②支出を下げる③税金を抑える、この3つしかありません。前回に続き、③の税金を抑える方法を解説します。

 前回から「支出を伴わない控除」の中で漏れやすい所得控除(人的控除)の例を挙げて解説しています。今回は、そのうちの1つ、障害者控除について解説します。

障害者控除とは

 障害者控除とは、納税者本人、または生計を一にする配偶者や扶養親族が、所得税法上の障害者に当てはまる場合に受けられる所得控除です。

 控除額は下の表のとおりで、区分によって大きく変わります。特別障害者かどうかは、原則として障害者手帳の等級などにより判定されます。

 なお16歳未満の子は扶養控除の対象にはなりませんが、障害者控除は年齢に関係なく適用されます。扶養控除がないからと、見落とさないように注意しましょう。

[漏れやすい点①] 65歳以上で要介護

 障害者控除で最も多い誤解が「障害者手帳がないから対象外」という思い込みです。実は、手帳を持っていなくても対象になるケースがあります。

 65歳以上で、その障害の程度が手帳の交付基準に準ずるとして市区町村長の認定を受けた人は、障害者控除の対象になります。

 ただし、要介護認定を受けているだけでは、自動的に障害者控除の対象にはなりません。市区町村に申請して「障害者控除対象者認定書」の交付を受けることで、初めて控除が適用できます。その申請は、市区町村の介護保険課などが窓口で、要介護度や日常生活の状況を基に審査され、区分(障害者/特別障害者)が判定されます。

 また、この認定書は過去にさかのぼって発行してもらえる自治体が多く、これまで申告していなかった場合でも、過去5年分について還付申告できる可能性があります。

[漏れやすい点②] 成年後見人がついている

 認知症などで親に成年後見人がついている場合、その親は所得税法上の「特別障害者」に該当します。これは、成年被後見人が「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」と家庭裁判所に認められた人であり、特別障害者の定義と全く同じだからです。

 つまり、成年後見を受けているという事実だけで、手帳がなくても特別障害者控除(40万円、同居なら75万円)が使えます。

 証明は、法務局が発行する登記事項証明書で足り、手帳は必要ありません。

[漏れやすい点③] 6カ月以上寝たきり

 その年の12月31日時点で、引き続き6カ月以上にわたって寝たきりで、複雑な介護(介護なしでは自ら排便などができない程度)を必要とする状態にある人は、特別障害者に該当します。在宅介護をしている、長期間寝たきりの親などがこれにあたります。

 このように手帳がなくても対象になるケースが数多くあります。心当たりがある人は一度確認してみてください。

【解説】
Knees bee(ニーズビー)税理士法人(東京都千代田区)
代表 渡邊浩滋税理士・司法書士

危機的状況であった実家の賃貸経営を引き継ぎ、立て直した経験から2011年開業。18年大家さん専門税理士ネットワークを設立し、全国の家主を救うべく活動中。22年法人化。「賃貸住宅フェア」などでの講演も多数。

(2026年10月号掲載)

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