幅広いターゲット層で高稼働 ―学研ココファン

土地活用高齢者住宅・介護福祉施設

<高齢者向け住宅で土地活用>

学研ココファン

 学研ココファンが手がけるサ高住は、相続対策としての需要が高いという。新築の際に借り入れを行うことによる相続税の圧縮効果はもちろんのこと、次世代も手間がかからず長期的に安定賃料が得られる不動産なら、受け継いでも困ることはないだろう。しかも、住宅では入居付けに苦労しそうなバス便エリアなどであっても、高い入居率が実現できるのが魅力だ。

学研ココファン(東京都品川区)
執行役員 企画開発部部長 古川 厳氏

 住宅では入居付けに苦戦するような立地でも、当社のサ高住の稼働率は95%以上です。住宅を建てるのにすごくいいとはいえないが、少しだけ利便性が高いというような土地については、サ高住での活用も検討してみてほしいです。

幅広いターゲット層で高稼働 サ高住に特化した運営

 学研ココファンは、高齢者の住居や施設であるシニアリビングの中でも、サ高住の運営に特に力を入れている。「ココファンシリーズ」の名称でシニアリビング事業を展開しており、そのうちの9割以上がサ高住だ。サ高住の定員数は全国1位。26年3月時点の学研ココファン単体での施設数は236棟、1万2411戸にも上る。

 同社のコンセプトは比較的安価な賃料で包括的なサポートを行うことだ。

「ココファン澄川6条」の明るく開放的な食堂

 「月額費用は20万円ほどです。これは、年金プラスアルファの金額になります。一生涯でかかる費用が予測しづらい中でも、長く安心して住むことができる金額設定にすることで、多くの人に選んでもらえることを重視しています」と執行役員・企画開発部部長の古川厳氏は話す。 

 さらに、サ高住には原則として建物内に訪問介護事業所を設けているのも大きな特徴だ。デイサービスの併設も積極的に行うことで、同社のサ高住は自立から要介護5(最重度の区分)までと、幅広い介護ニーズに対応可能だという。一般的なサ高住は要介護3までが目安といわれており、この幅の広さが同社のサ高住の大きな特徴となっている。

 同社のサ高住は受け入れ対象が広いため、入居付けがスムーズに行える。また同社はサ高住の制度が創設される前から高齢者専用賃貸住宅を展開しており、経営ノウハウの蓄積もある。2010年に開設した「ココファン日吉」の運営モデルが制度化の際に参考にされるなど「サ高住といえば学研ココファン」の地位を築いてきたのだ。

「1つの市につき5つのサ高住を目安にしています。例えば、そのうちの1つが介護付き有料老人ホームであったほうがエリアの利便性が高いと判断すれば、サ高住以外のものを運営することもあります」(古川氏)

20年間の家賃保証あり
リスクの低さが魅力

 同社が運営する施設は、オーナーが建てた物件を1棟丸ごと借り上げしていることがほとんどだ。20年の普通借家契約を基本としている。同社と入居する高齢者が終身で賃貸借契約を結ぶため、同社とオーナーとの契約が継続しやすい普通借家契約のほうが望ましいからだという。入居率による賃料の変動はなく、状況によらず固定の賃料が支払われる。

 特筆すべきは、20年間の家賃保証をしている点だ。「過去に事例はありませんが、万一当社が撤退した場合でも賃料は20年間分支払います」(古川氏)

 施設を建てる際も、オーナーの裁量が大きい。同社がサ高住を運営するための最低限の基準を満たせば、構造や外観は比較的自由に決められる。「リーズナブルな賃料設定がコンセプトではありますが、地域で目立つ建物になることもあり、外観にこだわるオーナーも多いです」(古川氏)

 サ高住ならではの設備として、食堂や台所が必要となるほか、スプリンクラーやナースコールの設置などが法律で義務付けられている。その分個室に使える面積は少なくなるものの、そのほかは一般的な賃貸住宅とあまり変わらない。収益性で見ると「ビルや店舗よりは見劣りするかもしれませんが、一般的なマンションと同程度ではないでしょうか」と古川氏は話す。

 マンションと比較した場合に優位な点は、バス便エリアでも満室稼働の可能性が高くなる点だ。オーナーには稼働率にかかわらず一定の賃料が入るとはいえ、入居が安定していることの安心感は大きいだろう。さらに、サービス内容も含めての資産評価になるため、建物が古くなっても評価額が下がりにくい点も魅力である。

相続対策に向く土地活用
次世代に良質な不動産を残せる

 同社にサ高住の建物を貸しているオーナーは、個人が多いという。中でも、70~80代のオーナーとその子ども世代がボリュームゾーンだ。それは、サ高住での土地活用が相続対策や事業承継に向くからだという。

 まず、建物を新築するために大きな金額を借りることができる。サ高住に限ったことではないが、借り入れを行った分、相続税評価額が減るので、将来的な相続税額を抑えられるのだ。

 そして、サ高住ならではの魅力の1つが、次世代に渡す財産として比較的安全性が高い点。運営はすべて同社が行うため、子ども世代は空室リスクを抱えることがない。さらに、20年間という長期で家賃保証がされており、子ども世代が不動産を経営する段になっても収支がわかりやすい。また教育系企業として知名度の高い同社に任せられる点も好評だという。

「自身のアパートの建て替えがきっかけでサ高住を手がけた地主もいます。地域に必要とされるものを造る喜びも感じてもらえていると思います」(古川氏)

サ高住の事業拡大へ
土地面積300坪が基準

 同社はさらにサ高住の事業を拡大させたいと考えている。具体的には年間20棟、1200室の増加が目標だ。「高齢化のピークは2040年だといわれていますが、単身高齢者からの需要は50年、60年でも根強いと想定しています。2026年は事業拡大のフェーズと位置付けています」(古川氏)

「学研ココファン川崎高津」は子どもが通う学研教室や児童発達支援事業所もある複合施設。地域の人が集える交流スペースもある

 出店エリアは、政令指定都市やその近接都市、人口30万人規模の都市を対象としている。同社が多く手がける50~70戸のサ高住1棟を建てるためには、600~1000坪の床面積が必要となるため、土地面積としては300坪が1つの基準。だが、こういった基準に当てはまらなくとも、同社とオーナー双方の収益が成り立つケースでは出店の検討対象となる。

「300坪より大きな土地であれば大規模なサ高住が展開できますし、200坪以下の土地でも可能性はあるので、ご相談いただければと思います」(古川氏)
(2026年8月号掲載)

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