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<<高齢者向け住宅で土地活用>>
ニチイケアパレス
ニチイケアパレスの老人ホームによる土地活用は、30年間の固定賃料という安定した収益に加え、地域の高齢者を支える社会貢献性も兼ね備えている。建物を一括借り上げするため、オーナーは空室リスクを負うことなく、長期にわたる資産活用が可能だ。
エリアの高齢者を支える社会貢献事業
近隣に病院や公園がある土地が適する

満室経営中のニチイホーム杉並松庵
ニチイケアパレスは1983年の事業開始以来、40年以上にわたりシニアリビングに携わってきた。現在は、シニアリビング約6700室を運営している。介護付き有料老人ホーム「ニチイホーム」が主力ブランドで、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅「ニチイメゾン」も展開。実績ある大手の運営会社の1つだ。
入居者が支払う金額の目安は、都内の場合、入居金1000万円で月額30万円程度、入居金がないプランだと月額40万~50万円がメインだという。中間層から富裕層がターゲットだ。
「人口動態や最寄り駅の乗降客数、世帯年収なども分析し、その地域に合った価格設定をしています」(安田氏)
データに即した出店計画と入居費の設定もあって、入居率は94%ほどと高水準を維持している。
30年間の固定賃料が魅力
同社が不動産を所有するのは例外的なケースで、ほとんどはオーナーから建物を一括借り上げしている。契約期間は30年間。契約期間中は賃料が固定となっているため、オーナーは長期にわたり安定した収益を見込めるという。有料老人ホームでは、国の指導指針で20年以上の借り上げ契約が望ましいとされているところ、同社はそれを上回る30年間の契約を基本としている。
「収益面でも訴求力はあり、オーナーから見た利回りはマンション建設と比べても遜色ないものと考えています。運営状況によらず、長期にわたって固定賃料を支払いますので、オーナー側の空室リスクはありません。また当社としては収益が安定する介護付きを増やしていきたいのですが、自治体の指定の状況によっては住宅型となるケースもあります。ただ、どちらの場合でもオーナーに支払う賃料は同じです」(安田氏)

夫婦での入居に対応した「夫婦室」。キッチンも備えている
加えて、中途撤退は前提としていないが、万が一同社側の都合で撤退する場合には、違約金として建築費相当額のうち、残存期間に対応する額を支払う契約となっている。この点もオーナーには安心材料の1つだろう。
オーナーの意向を反映
建物は同社の基本仕様をベースとしながら、オーナーの意向も柔軟に反映している。居室は18㎡を基本としつつ、30~40㎡のゆとりある計画をすることもあるという。一定の基準はあるものの、その自由度は高い。
「実績として、スーパーマーケットとの複合施設があります。1階がスーパーと老人ホームの共用部、2〜5階が老人ホームの居室となっています。1度の開発でエリアに必要な施設を2つ造ることができ、オーナーの満足度も高いものでした」(安田氏)

広い吹き抜けで解放感のあるニチイホーム溝の口のリビング&ダイニング
また老人ホームによる土地活用は、建築費が高騰している中、マンションより建築費を抑えやすい傾向があるという。同社の基本仕様では、居室内に個々の浴室はなく、共同浴室をいくつか作ることになる。介護施設特有の設備は必要になるものの、共同浴室を採用することで水回り設備を集約できるため建築費を抑えられるのだ。
駅から徒歩圏内が望ましい
同社が運営する場合、80人規模の施設が最も効率的であることから、そこから逆算して400坪程度の土地が望ましい。ただし、都内の場合は300坪程度でも高層化などにより収益を確保できれば活用可能だ。立地としては、駅から徒歩10分程度までの場所をメインとしている。
「職員の確保にしても利用者の家族の利便性にしても、なるべく駅に近いほうがいいという要望があります。駅からすごく近いわけではないが、徒歩圏としては無理がない。そんな場所では、マンションよりも老人ホームのほうが空室リスクの面で優位と感じてもらえると思います」(安田氏)
加えて、同社が立地で重要視するのが病院と公園だ。病院については、ホームで訪問診療を受けられるとしても、緊急時に近所に総合病院がある安心感は大きい。また公園が近くにあると、住み心地が良くなる。
「ホームの敷地に遊歩道や緑地を設けるのはなかなか難しいのです。すぐ近くに公園があれば、催しの一環で外に出かけるといった暮らしの変化がつけやすいので、入居者に喜ばれます」(安田氏)
安定経営しながら社会貢献
老人ホームによる土地活用は長期安定の収益が魅力だが、もう1つ、社会貢献も見逃せないキーワードとなる。
「入居者の約7割は近隣住民となっています。そういう意味では、エリアの高齢者を支える施設を造ることになるのです。実際に『地域に恩返ししたい』と老人ホームによる土地活用を選んだ地主や、地域の名士が地域貢献目的で建設する例も多くあります」(安田氏)
収益性だけでなく、地域に必要とされる施設を残せることも、オーナーにとって大きな魅力となるだろう。
3大都市圏中心に開設進める
2024年に同社は日本生命グループに入った。同グループの介護領域を担う中核会社として、シニアリビング事業のさらなる拡大を進めていく。
同社は、高齢化を背景に介護施設への需要は今後も続くと見ており、関東、中京、関西を中心に年間5棟程度の新規開設を予定している。増加する高齢者とその家族を支える社会インフラとして、事業をさらに広げていく考えだ。
ニチイケアパレス(東京都千代田区)
事業推進本部 開発部
担当部長 安田雄哉氏

高齢者人口の増加や介護離職に伴う経済損失が問題となる中、老人ホームによる土地活用は社会貢献度が高い事業です。地域に役立つ施設を造り、地域インフラとしての役割を担うことができるのも事業の醍醐味だと思います。一緒に近隣の高齢者を支えていきましょう。
(2026年11月号掲載)






