植栽の管理状況で判断する
マンションを購入する際に、建物の構造体がしっかりしているかどうかが最も重要ですが、「管理状況」と「住民のモラル」もとても大切です。その2点は、マンションの敷地内を調査することで、把握できます。
「マンションは管理を買え」と管理の重要性はよくいわれますが、それを判断するのは難しいこと。その判断材料の一つが、マンション内の「植栽」です。
植えられている植物は、もともと管理の行き届いた環境で育てられたものが多く、そこから、マンション敷地内に植え替えられます。マンションの環境になじまず枯れる植物や、環境になじんでも、枝葉が成長し過ぎて、上階のバルコニーの中に入ったり、隣の敷地や公道に出たりしてしまいます。
マンションの敷地内の植栽は、枯れてもいけないし、大きくなりすぎてもいけないのです。繁りすぎることなく、生き生きとした状態が管理する側にとっては理想です。
植栽を美しく保つためには、適切な管理の継続が必要です。マンション内の清掃や設備メンテナンスも重要ですが、植栽が手入れができていれば、長期的に管理が行き届いている可能性が高いと考えられます。
共有スペースを見極める
駐輪場やごみ置き場、メールボックス、掲示板は、住民のモラルが反映されます。
例えば駐輪場では、自転車やバイクが整然と並んでいるか、使っていないものや倒れたままにしているものがないかを見て、モラルの有無を判断します。
ごみ置き場では、張り紙などからゴミ出しのルールが守られているかどうかがわかります。
メールボックスでは、ボックスの扱い方により、空き部屋の状態、またチラシやごみの整理状態でも見えてきます。
掲示板では、マンション内で起こった事件や事故などが注意書きで掲示されます。
このように、マンションを購入する際には、マンション内の共用スペースから住民のモラルを見極めることが重要です。
横山顕吾オーナー(広島市)
1970年岡山市生まれ。筑波大学体育専門学群卒業後、建物管理会社に就職。2008年から一般財団法人日本不動産コミュニティー(J-REC)広島支部長を務め、12年に投資用分譲マンション2戸を取得。17年に区分マンション所有に特化した専業家主へ転身。マンション管理士、管理業務主任者、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、賃貸経営アドバイザー、防火管理者、損害保険募集人資格などを持つ。趣味はリフォーム、ラグビー観戦。
(2024年3月号掲載)
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