【特集】持ち味発揮 共用部を変えた家主の工夫①:エントランス

賃貸経営空室対策#空室対策#共用部#入居者満足度#付加価値

賃貸経営において共用部に手を加えるのは、ともすれば必要最低限でいいと考えがち。しかしながら、共用部こそ家主の持ち味を出すことができる部分だ。大がかりなものからすぐに取り組めるものまで、共用部を変えた家主たちの工夫を紹介する。

エントランス:自ら選定した高級家具で空間演出

図越寛オーナー(43)(大阪市)

 大阪府と兵庫県に10棟311戸を所有するブエナビスタ(大阪市)の代表取締役の図越寛オーナー(大阪市)は、ハイグレード都市型賃貸マンション「ブエナビスタ」シリーズで、広いエントランスに高級家具をそろえ、分譲マンションやホテルを思わせる空間を演出している。

 阪急電鉄大阪梅田駅近くに2023年10月に竣工した物件(1LDK・30戸)では、50㎡のエントランスに、約200万円のオーダーメードのシェルフ(棚)や約50万円のイタリア製ガラステーブル、約50万円の日本製コーナーソファなど、全体で300万円以上をかけた。

 図越オーナーは、同様のエントランスを備えた物件を建設中も含めてほかに14棟所有する。家具の選定から配置まで、すべて図越オーナー自ら手がけるのが特徴だ。そのため、高級家具のショールームを訪れたり、東京都心の高級ホテルに泊まって、エントランスや室内の家具に触れるなど、研究を欠かさない。

 高級家具をそろえる理由を図越オーナーは「入居者に選んでもらえるよう、ほかの物件との差別化を図るためです」と語る。それが奏功してか、24年7月12日時点で、ブエナビスタシリーズの空室率はわずか0・6%だという。

▲高級家具がそろったエントランス

注目点:インテリア専門誌も熟読し演出に生かす

 

(2024年10月号掲載)
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