<<注目の新築プロジェクト>>
自由度が高い間取りの環境共生型賃貸住宅
周辺相場より1割増の家賃でも満室を実現
鈴森village(ヴィレッジ:埼玉県和光市)
住宅宅分野では国内4例目となる「LEED forHomes(リード・フォー・ホームズ 以下、LEED)認証」を取得した環境共生型賃貸住宅が埼玉県和光市にある。東武鉄道東上線和光市駅から徒歩5分、約2600㎡の敷地に、2月に竣工した「鈴森village(ヴィレッジ)」だ。LEEDは米国グリーンビルディング協会が開発・運用している建物の環境性能を評価する国際認証制度で、認証の取得が難しいことで知られている。

▲緑豊かな小道は、近隣住民も通り抜け可能
設計を担当したのは、設計事務所スターパイロッツ(東京都目黒区)の三浦丈典代表。敷地内には、1階がRC造、2・3階が木造の3階建ての建物が6棟あり、住居26戸とテナント4区画という構成だ。
設計事務所 スターパイロッツ(東京都目黒区)
三浦丈典代表(49)

1階をRC造にした理由は木造に比べて振動や音が響きにくいから。2・3階の木造部分はメゾネットタイプであるため、小さな子どものいるファミリーでもそれほど足音を気にしないで生活することができる。
間取りにも特徴がある。基本的には1LDKと2LDKの2タイプだが、実際にはもっと部屋数が多く感じる造りとなっている。例えば、1階の1LDKには玄関の反対側に「アウターリビング」と呼ばれる3畳ほどのスペースを用意。くつろいだり小商いをしたり、入居者が自由に使うことができる。ただ、半屋外という造りであるため間取りでは1部屋に数えられていない。
- ▲第2の玄関としても使えるアウターリビング
- ▲リビングから見たアウターリビング
また、玄関は3畳ほどもあり、高級自転車やベビーカーなど大きな物を置くだけでなく、その一部をワークスペースとして使うこともできそうだ。
- ▲約3畳ある広い玄関
- ▲部屋として使えそうな階段(左手)脇スペース
「断熱材や窓の仕様については、LEEDの基準を満たす建築各部の熱貫流率を実現する仕様を選定しました」と話す三浦代表。気密性能についても認証の取得に向けてクリアするべき数値があったため、計画・施工を行い、数値の測定もしたという。それゆえ、同規模の賃貸住宅建設時と比べて、工期・建築費ともに約1割増となった。
敷地内の通路はもとより2階の壁面にも植栽を配置するなど緑豊かなうえ、高断熱・高気密設計によりエアコン効率がいい鈴森village。そうした点が決め手になった入居者が多かった。
家賃は周辺相場よりも1割程度高く設定したが、8月でほぼ満室となった。今夏は酷暑となったものの、「非常に快適で、冷房が27・5度の設定でも十分冷えるのがすごいです」「メゾネットタイプでも、エアコンを1台つけるだけで家全体が涼しくなるのでびっくりしています」という声が入居者から上がっていたという。

▲メゾネットタイプのリビングの左手には壁で囲われたインナーバルコニーが見える

(2026年6月公開)

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