【連載】家主の賢いキャッシュフロー改善:8月号

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税金を抑える
~支出を伴わない控除 扶養控除~

 キャッシュフローを改善するためには、①収入を上げる②支出を下げる③税金を抑える、この3つしかありません。前回に続き、③の税金を抑える方法を解説します。

 前回までは「支出を伴わない控除を使う」の例として、所得控除(人的控除)について解説しました。今回は、人的控除のうち、漏れやすい扶養控除について解説します。

扶養親族がいる場合に受けられる扶養控除

 扶養控除とは、生計を一にする親族(配偶者を除く)を養っている場合に受けられる控除です。一般の親族(16〜18歳、23〜69歳)は38万円、19〜22歳の子は63万円、70歳以上の親は48万円(同居なら58万円)が所得から差し引かれます。

 このうち、次の2点で取りこぼしが多く見られます。
①別居の親に仕送りしている
 同居していない父母や祖父母などに仕送りをしている場合、控除の条件を満たしているのに申請していない人が意外と多くいます。一緒に住んでいなければ、扶養控除は使えないと思い込んでいるのが原因です。

 別居の親族を扶養控除の対象とするには、生活費や療養費を定期的に送金しているなど「生計を一にしている」ことが必要です。手渡しでは証拠が残らないため、銀行振り込みの記録を残しておくのがポイントです。

②同居老親等の判定ミス
 70歳以上の親と同居している場合、控除額は48万円から58万円にアップしますが、この「同居」の判定にミスが目立ちます。

【「同居」に該当】
 ● 病気やけがのリハビリで一時的に介護施設へ入っている場合は「同居」に該当。
 ● 同一敷地内の別棟に住んでいても、一緒に食事をするなど日常生活を共にしていれば「同居」として扱われる。

【「同居」に非該当】
 ● 老人ホームに入所している親族は、ホームが住まいとなるため「同居」に該当しない。
 ● 同じ建物に住んでいても、完全分離型の2世帯住宅で家計を別にしている場合は「同居」に該当しない。

子の「働き控え」を解消する特定親族特別控除の新設

 「特定親族特別控除」が2025年に新設されました。まだ認知していない人も多いと思います。

 19〜22歳の子のアルバイト年収が123万円を超えると、特定扶養控除(63万円)は使えなくなります。しかし、この特定親族特別控除の新設により、子の年収が150万円までは満額63万円の控除が維持されます。さらに子の年収188万円までは段階的に控除を受けられます。

 以前は子が少し働き過ぎるだけで親の税金が大きく増えることから、子がわざと働く時間を抑える「働き控え」が問題となっていました。同控除はこれを解消するために生まれたのです。自身の家族構成に当てはまる控除がないか、毎年見直してみてください。

【解説】
Knees bee(ニーズビー)税理士法人(東京都千代田区)
代表 渡邊浩滋税理士・司法書士

危機的状況であった実家の賃貸経営を引き継ぎ、立て直した経験から2011年開業。18年大家さん専門税理士ネットワークを設立し、全国の家主を救うべく活動中。22年法人化。「賃貸住宅フェア」などでの講演も多数。
(2026年9月号掲載)

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