相続で仲良くなる家族 離れる家族 ―亀島淳一著

相続相続税対策

<<著者インタビュー>>

相続で仲良くなる家族 離れる家族
「財産の見える化」から「もめない分け方」まで

生前からコミュニケーションを取り、分け方を共有しておく

─この本を出版するに至った経緯を教えてください。

 相続というと多くの人の関心は相続税対策や遺言書の書き方に偏りがちです。しかし、いくら相続税対策をしても、分け方を決めないと家族がもめてしまうという問題がありました。相続で家族をもめさせないための分け方にフォーカスした本の必要性を感じ、この本を執筆しました。

─もめてしまう家族の特徴とは。

 究極的にはコミュニケーション不足ですね。例えば仲が良いからもめるはずがないと思い込んでいる、または家族で財産の内容や価値を把握し、将来について話し合えていない家族です。親子で何度も話し合い、それぞれの不安を理解し、どの財産がどの不安を解消してくれるのかを一緒に考えることが大事なのです。

─相続税対策などよりもっと手前の段階ですね。

 親が遺言書だけを残していても、なぜこの分け方になったのか子どもたちがわからない。わからないから、不安になってもめるのです。資産のポートフォリオを改善していき、価値を上げていく。その視点が重要になっています。

─資産を守るだけでは不十分ということですね。

 日本は人口が減少し、地域格差が広がっています。守りたい不動産があっても、10年後には人口が減り、高齢化も進みます。所有物件も古くなり、このままで本当にいいのかという話になります。単に財産を守るだけでは、子どもたちが受け取った時に、重荷になる可能性さえあるでしょう。資産を組み換えたり、新たに資産をつくったりすることで、親子で一緒に資産価値を高めていく。その視点が現代の相続対策には不可欠です。

─親子で一緒に対策をすることが重要なのですね。

 相続対策のポイントは流動性、収益性、将来性といった資産の質を見極め、子どもたちが本当に安心して受け取れる分け方を考えることです。私たちは「財産分割アドバイザー」として、弁護士や税理士といった士業とも連携しながら、家族全体の幸せを視野に入れた相続計画をサポートします。

─それぞれの家の相続がうまくいけば最終的に社会や地域にも貢献していくと書かれています。

 家族の幸せがまず優先です。その幸せが達成できた時に、それを地域に循環させるという考え方です。そうした家族の幸せのお裾分けが地域に広がれば、地域全体も良くなっていきます。それこそが、私たちが目指している姿です。

著者プロフィール
亀島淳一(かめしま・じゅんいち)

シナジープラスグループ代表。1975年生まれ、沖縄県出身。証券会社、大手アパートメーカーなどを経て2010年起業。相続コンサルティングに特化した財産分割アドバイザーとして年間140件超に対応し、地主・家主の生前対策を支援。一般社団法人全国幸せ相続計画ネットワークの代表理事も務める。


相続で仲良くなる家族 離れる家族

「財産の見える化」から「もめない分け方」まで

著者:亀島淳一
出版社:パノラボ
価格:1760円(税込み)
概要
相続の場では、残された財産の性質によっては、いくら平等に分けたつもりでも大きな不公平感が生まれる。独自の「相続サイクル」という考え方を軸に、相続を「財産を受け取った瞬間から始まる長期設計」として解説。家族会議の進め方から家族信託や法人化の活用まで、実践的に掘り下げる。
(2026年9月号掲載)

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