名古屋|明確な理由で街が選ばれる時代へ
杉村八千代オーナー

「10年後もこの街に住みたいと思う人がいるだろうか」。7月に発表された最新の路線価から見えてきたのは、この問いを掘り下げることの重要性です。
県内の最高額は、今回も名古屋市中村区の「名駅通り」でした。前年比1・2%増の1㎡あたり1304万円となり、オフィス・商業施設の集積や将来性などから圧倒的な価値を示しています。しかし、地価以外の視点も大切です。例えば同市の「千種区今池」は、商業施設や飲食店が集まる点に加え、住宅やタワーマンションの開発によって街のイメージが変化。働く場所と暮らす場所が近く、利便性を重視する世代から選ばれるエリアとして、今後も注目したいです。
県内上昇率トップとなった「一宮市栄3丁目」は10・0%増。名古屋市へのアクセスが良く、暮らしやすい街として需要が高まっていることも、現在の愛知県の不動産市場を考えるうえで重要なポイントでしょう。
路線価は、街の価値を考えるうえで重要な指標の1つです。ただし、路線価の上昇とともに、実際の売買価格や賃料、将来の資産価値まで同じように上昇するとは限りません。不動産の価値を見極めるには、人口動態、再開発計画、交通利便性、賃貸需要などを総合的に見ることが大切なのです。
(2026年10月号掲載)






