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共用部で体験「バーチャル森林浴」
リラックス効果で入居者の健康増進へ
賃貸マンションにおいて、健康や環境に優しい取り組み方法を入居者が住みながら検証するプロジェクトが始まった。
長谷工コーポレーション(東京都港区)は、マンションに設置されたさまざまな種類のセンサーから収集された〝暮らし情報〟のデータの活用に、「LIM(Living Information Modeling)」という名称を付け、〝暮らしの最適化〟に向けた取り組みを進めている。
既存の社宅を全面改修した賃貸マンション「サステナブランシェ本行徳」は、2023年9月に竣工した。全36戸のうち13戸に、居住型実験住宅「RESIDENCE LABO(レジデンスラボ)」を設置し、それぞれの部屋で異なる検証を行う。
検証の一つが写真の「バーチャル森林浴」だ。室内空間において、映像や音、香りによる自然の疑似体験をすることで、睡眠の質の向上、イライラを和らげるリラックス効果を得られることに着目した。
13戸のうち1戸を共用部に改修し、天井にプロジェクターを複数台設置、天井と壁3面に映像を投影する。
音はマルチサラウンドシステムの採用により、前後、左右、上下の音が移動していく感覚や、全方位での音の臨場感を再現する。
香りは、エステー(東京都新宿区)が開発した北海道産トドマツから抽出した「機能性樹木抽出成分」を活用した「クリアフォレスト」を使用。トドマツの香りには、ストレスホルモンの活性を低下させ、ストレスを解消すると北海道大学の大塚吉則教授の研究により報告されている。
映像、音、香りの三つの作用により、自然空間への没入体験を味わう。今後、利用者の気分の変化や脈拍など、自律神経への影響を長期的に効果測定していく予定だという。
長谷工コーポレーションは、今後もIoT機器や人工知能(AI)技術を生かし、マンションから得たデータを活用した〝暮らしの最適化〟の実現に向け、取り組みを進めていくとしている。
(2024年2月号掲載)
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