地元オーナー発信―広がる路線価上昇(福岡)

賃貸経営トレンド

福岡|福岡市の周辺部へ広がる路線価の上昇

𠮷原勝己オーナー

 2026年分の路線価が7月に公表され、福岡県の平均変動率は前年比4・2%上昇となりました。上昇は11年連続ですが、前年の6・0%に対し伸びが縮小。 福岡市中央区天神の「渡辺通り」は1㎡あたり992万円で、46年連続の九州最高路線価とはいえ、上昇率は2・5%にとどまりました。「天神ビッグバン」などの再開発で先行した中心部の地価に変化が出始めたということでしょう。

 その一方で目立つのは周辺部への波及です。春日市の「春日原駅前通り」は16・0%の上昇で県内トップ。天神や博多へ電車で30分という利便性に加え、駅周辺の整備や容積率の緩和、マンション需要が地価を押し上げています。さらに注目は佐賀市です。「駅前中央通り」は前年比17・0%の上昇となり、県庁所在地の最高路線価上昇率で全国1位となりました。23年に開業した「SAGAアリーナ」や駅前広場の整備に加え、福岡市へのアクセスの良さとマンション価格の割安感が評価された結果でしょう。

 これは福岡都市圏の重心が、1点集中から北部九州へと広がる兆しに見えます。交通利便性と暮らしの魅力が再評価される今こそ、経営する不動産を地域の発展のために磨き直し、上昇する土地価格をまちの価値へと転換する経営力が問われています。
(2026年10月号掲載)

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