選べる省エネ性能プランが強み
アパートや賃貸マンションと比較して、供給数が少ない戸建て賃貸住宅は競争力がある。さらに、近年はデザイン性や機能性も高い建物が増えている。そうした中、省エネルギー性能が高く、コストパフォーマンスも良い戸建て賃貸住宅がある。南陽吉久(富山県高岡市)が展開する「CUSMO(カスモ)」だ。今回は同建物について、取材した。
2011年に事業部が立ち上がり、富山県、福井県、石川県、新潟県、群馬県、岐阜県の6県で23社の販売加盟店がある「CUSMO」。累積300棟を供給、22年度は35棟、23年度は60棟の竣工を見込む。
同社の強みは間取りや仕様を規格化することで、高い省エネ性能を持つコストパフォーマンスの良い戸建て賃貸住宅を実現していることだ。プランは「CUSMOスタンダード」と「CUSMOエコ」の二つがある。CUSMOエコはZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)仕様、CUSMOスタンダードは、20年の省エネ基準よりも高い断熱性能がある。オール電化仕様で、「オーナーの中には、CUSMOエコに太陽光を搭載するとともにEVコンセントと宅配ボックスを設置して20棟建てた人もいます」と同社の執行役員ハウジングシステム事業部の天田恒則事業部長は話す。
設備についても賃貸住宅ではあまり使用しないグレードの高いものを採用しているが、もともと建材卸売事業の会社であることから、コストパフォーマンスは高い。具体的には、2棟以上を同時に建築すると、20坪タイプで1棟968万円から(本体価格・税込み)。利回りの目安は、建物だけで10%を確保することも可能だ。
また、30坪程度の未活用スペースに、戸建て賃貸住宅を建てるケースもある。23年にCUSMOを3棟建てたオーナーは、敷地にアパートを2棟建てたのだが、それでも少し土地に余裕があったため、CUSMOを建てたという。
CUSMOは延べ床面積が20坪の2LDKと、23〜28坪の3LDK、33坪の4LDKがあり、間取りは全12プランで展開。正方形と長方形のバリエーションがある。とがり過ぎないデザインと間取り、仕様に加え、価格帯のバランスの良さが支持され、直近3年間で受注したうちの約3割がリピーターだ。
今後同社は加盟店を増やし、エリア拡大を図っていく。
南陽吉久(富山県高岡市)
執行役員 ハウジングシステム
事業部 天田恒則事業部長(52)
(2024年2月号掲載)
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