My賃貸経営スタイル:法人化で事業の成長狙う

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自分の物件に住みたかったのがきっかけ 法人化で事業の成長狙う 

石森竜洋オーナー(52)

 23年9月に事業を法人化したのは石森竜洋オーナー(仙台市)。猫共生型物件を含む8戸を所有しており、法人名は、大好きな猫にちなんでChaton(シャトン)とした。フランス語で子猫という意味だという。
(仙台市)

 今回つくった法人は、ゆくゆくは不動産の所有法人にする予定だが、現在個人で所有している不動産を移すためにはお金が必要なうえ、個人に発生する譲渡所得税の問題もある。しばらくは、個人が法人に貸し、法人が入居者に転貸する形で内部資金をためようと考えている。つまり、個人としての石森オーナーが自分の法人にサブリースで貸している状態だ。

「すでに入居者も入っているので、法人は2期目から黒字になる見込みです。3期連続で黒字化できると、法人が銀行からの融資も受けやすくなります。そのタイミングで法人が不動産を購入することも視野に入れています」と石森オーナーは話す。

▲部屋のキャットウオーク。2匹のお気に入りの場所だ(左:あずきちゃん、右:みかんちゃん)

週1回の見回りで入居者と近い関係に

 前々から、自分がつくり上げた物件で猫と暮らしてみたいと思っていた石森オーナー。23年6月に、所有する猫共生型物件に空室が出たのが法人化のきっかけだった。法人化すれば、石森オーナー自身が入居者となっても、物件を法人名義の社宅として借り上げて、法人からオーナーに家賃を支払う形にすることができる。

 さらに入居者側から家賃の半額を社宅使用料として法人に支払えば、法人がオーナーに支払う家賃を法人側の経費として扱うこともできる。「いずれ事業の拡大のために法人化することを考えていました。繁忙期以外の時期に空室になったことで背中を押されたように感じました」(石森オーナー)

 インターネットで法人化の方法を調べ、石森オーナー自身でできる部分は自らやってみることにした。手続きがどれくらい大変なのか知りたかったからだという。「今回私がつくったのは合同会社です。設立費用は登録免許税とその他諸費用で7万円ほどです。定款の作成は行政書士に依頼して5000円でした」(石森オーナー)

 法務局へ必要書類を提出して登記されることで会社設立となる。大変だったのが、法人設立届出書を税務署、都道府県税事務所、市区町村役場それぞれに提出することだった。提出先ごとに書類のフォーマットが異なるため、法人設立届出書は3種類作る必要があった。

 また、たまたま交通の便が良かった県税務署以外は郵送で手続きをしたため、不備があった際のやりとりに思った以上の手間がかかったという。難しくはなかったが、とても手間がかかった法人化となった。

 「次回は専門家に頼もうと思います。費用の相場は手間に比して正当な対価だと感じました。本当に面倒な手続きでしたが、やり切ることができてすがすがしいです」(石森オーナー)

▲館銘板には愛猫「みかん」のシルエット

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