【特集】非住宅ではじめる遊休地活用ビジネス 第一弾:①コインパーキング

土地活用店舗
  • HOME
  • 土地活用
  • 店舗
  • 【特集】非住宅ではじめる遊休地活用ビジネス 第一弾:①コインパーキング

遊休地や空きテナントを活用するビジネスは多岐にわたる。そこで今回は、立地やニーズに合わせたさまざまな土地の活用法を提案。さらに、空室対策としてマンション1室から開業できるフランチャイズビジネスを紹介する。

土地活用 遊休地編 進化している土地活用ビジネス

遊休地の活用法や土地活用に関する情報を効率的に収集できる方法を紹介する。

不動産活用の多様化

2024年4月1日より相続登記が義務化。不動産を相続した日もしくは相続により所有権を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記の申請を行う必要がある。代々受け継いできた不動産を継承していくためにさまざまな変化が起きているのだ。

 相続しても、何もしない状態では税金や維持費がかかり、大きな負担となるため、土地や不動産物件の有効活用への関心が高まっている。

 土地活用と聞いて最初に頭に思い浮かぶこと言えばアパート、マンション経営、駐車場経営ではないだろうか。だが、立地、土地の形状、初期費用、収益性、利回りの高さ、収益の安定性、節税などの観点からさまざまな可能性を考えて選択していくことが大切である。

 また、昨今、マンション1室から開業できるフランチャイズビジネスも増加している。空室対策として事業者への貸し出し、もしくはオーナー自らがビジネスに活用するという選択肢もある。

 今回は、土地活用とテナント活用に分けて最新の情報を紹介。大切な資産である不動産を長く守っていくための参考にしてほしい。

コインパーキング セイワパーク

キャッシュレス化で業務効率が向上 5~10坪の狭小スペースでも収益化が可能に

セイワパーク (福岡博多区)清家政彦社長(52)

オーナーに寄り添った駐車場運営

セイワパークは駐車場の建設から管理、運営を手掛ける駐車場のトータルカンパニーだ。現在、九州を中心に約300カ所のコインパーキング「セイワパーク」を運営。土地オーナーに対して、コインパーキング運営のトータルサポートを提供している。昨今のコインパーキングはキャッシュレス化が進んでおり、大きな変革期を迎えている。

 同社が展開するコインパーキングの管理運営事業は、土地オーナーから土地を一括借り上げし、駐車場の建設から管理運営を実施するというものだ。

 同社は立体駐車場や自走式駐車場など多様な駐車場の企画、設計、建設を長年手掛けてきた実績がある。そこで培ったノウハウを駆使してその土地に合ったコインパーキングの施工方法や、フラップ・ゲートなどの設置機器を提案。開設後は集金業務や機器のメンテナンスなども同社が実施し、土地オーナーには固定賃料を支払う。

 また、売上の全てがオーナーに帰属する業務委託方式や売上額に応じて所定の割合で利益を分配する利益分配方式といった契約もあり、土地オーナーにとって一番良い運営方法を提案している。

 同社は土地オーナーとのコミュニケーションに注力しており、売上報告のため定期的に土地オーナーを訪問。さらに年に1回、本社のある福岡で100 人規模のオーナー会を開催している。業界でこのような取り組みをしている会社は少ない。

 同社の清家政彦社長は一般社団法人日本パーキングビジネス協会の理事長を務めている。さらに、社員が積極的に多くの会合に出席し、最新の業界情報を得る努力をしており、市場の変化に柔軟に対応できることが特徴で、近年のキャッシュレス化の波に対して、同社は一早くQR決済を導入した。

 今後は、駐車場業界もアプリの利用が活発化する見込みで、エンドユーザーはアプリで駐車場を探し、決済まで完了するようになる。この変化はエンドユーザーの利便性が高まる上、事業者にとってもメリットが大きい。

 フルキャッシュレスのコインパーキングが普及すると、集金のためのフラップやゲートなどの設置が不要となる。事業者の集金やメンテナンス業務がカットされ、業務効率が格段に向上。小台数のコインパーキングでも収益が見込めるようになるという。
そのため、今後は1台分のコインパーキング運営の提案も積極的に行っていく方向だ。

 同業者間での連携を取り、業界内のキャッシュレス化とアプリの普及を進める。さらに5坪~10坪あれば1台駐車できることから、立地の良い狭小スペースを持つ土地オーナーにアプローチを行い、東京・大阪のエリア拡大を強化していく。

▲2024年3月にオープンしたQRコード決済専用駐車場

(2024年5月号掲載)

一覧に戻る