「壁」を広告に変え収益を生み出す 地域活性化だけでないアート活用

賃貸経営リフォーム・リノベーション#Focus

およそ9兆円規模の世界のアート市場のうち、日本が占める割合はわずか1%といわれている。アート市場の小さい日本において、今、注目されているのが「ミューラルアート」つまり壁画だ。生活の一部として誰でも触れることができる壁画が、不動産価値の向上につながる可能性を秘めている。2020年に壁画事業を開始したWALL SHARE(ウォールシェア:大阪市)の川添孝信CEOに話を聞いた。

 

――創業から4年、すでに120作以上のミューラルアートを手がけています。

 不特定多数の人の目に触れる屋外壁画では、最も多くの作品を生み出している会社だという自負があります。行政主体の地域活動としての壁画制作だけでなく、近年は企業の広告手法として壁画への注目度も高くなっています。

 

――製薬会社や飲料メーカーなど大手の企業の壁画広告も制作していますね。

ありがたいことに、直接問い合わせを頂くことが増えています。恐らく、企業としても多額の宣伝費をかけて、東京・渋谷のスクランブル交差点や大阪・道頓堀といった大都市の繁華街に広告を出すといった手法ではない、新しいマーケティング方法を模索しているのではないでしょうか。そうした中で、壁画広告への関心が高まっていると思います。

 

――物件の壁という今まで見過ごされてきたスペースの活用につながります。

 物件の広告スペースといえば、従来は屋外看板を取り付ける形でした。その方法では、広告枠の設置費用や劣化を防ぐための点検といった維持管理費は物件オーナーの負担になっていました。壁画を使った広告であれば、それらが一切かかることなく、「空き壁」を貸し出すことで収益を上げることができます。また、原状回復についても、オーナー負担はゼロ。当社で壁面を塗り替えて戻します。

 

――壁の貸し出しの契約期間は?

 広告クライアントには、最低1年間という期間で区切って提案しています。というのも、壁画の作成は足場を組むなど時間と労力がかかるからです。そしてやはりアーティストの描いた作品ができる限り長い期間にわたってまちに彩りを与えることが、本来の壁画としての存在意義だと思うのです。企業にとっても、その瞬間だけ人の目をひくのではなく、消費されない広告として、じっくり認知度を高める効果があると思っています。

 

――その点、壁を貸し出すオーナーにも1年間の賃料が保証されますね。

 壁が新しい収入源になるという点は大きな魅力だと思います。それだけではなく、実際、壁画向けに壁を貸し出しているオーナーからは「自分の物件がまちを明るくすることを誇らしく思っている」という言葉を頂いています。単に収益を上げるだけでなく、不動産の価値を上げることにもつながっていると思います。

(長谷川律佳)

 

WALL SHARE(大阪市)

川添孝信

CEO(33)

大阪体育大学卒業後、フォルクスワーゲンの新車営業にて全国セールス販売賞を3度受賞。その後、クラウドワークスにて従事し、ワンエイティーを共同創業。ミューラルアートを日本に広めるべく2020年4月 WALL SHAREを設立。

 

 

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