法人・社宅代行
家族帯同の転勤需要が回復
春と秋の引っ越し時期が分散する
借り上げ社宅約25万戸を数えるリロケーション・ジャパン(東京都新宿区)の栗山直能社長は「コロナ下で単身赴任が多かった転勤において、23年秋の繁忙期では家族帯同も増えました。当社の業績として22年の約5%増の見込みです」と話す。
同社は企業が希望する賃貸住宅を借り上げて、法人に転貸するビジネスモデルを展開しているが、業種ごとに企業側の動きが異なるという。「好調なのは医療福祉、建設、インフラ関係の企業で、依頼件数が22年より微増しました。一方、依頼件数が減っている業種は、金融関係、製薬会社です。業務効率化の推進やテレワークの浸透で、営業所や支店を統合して、社員数を減らす動きです」(栗山社長)
また、引っ越し時期が分散傾向にあるという。コロナ前は、4月1日、10月1日という着任日までの引っ越しが厳命だった。しかし、繁忙期の引っ越し料金の高騰の影響で、経費を抑えたい企業側として着任日に固執しなくなってきている。「23年はその動きが顕著で、秋の繁忙期は8月から始まり、10月上旬まで続きました」(栗山社長)
部屋探しにおいて23年は、家賃の値上げ傾向を受けて動きが変わったという。「社宅の場合、就業規則で会社負担額の上限が決まっています。家賃が上がっているとなっても、就業規則をすぐに変更することはできませんから、上限額を考えて部屋探しのエリアが広がっています」(栗山社長)
外国人労働者の増加で家具付き賃貸の需要が伸びる
「介護や清掃、家事代行の業種で、技能実習生が増えており、家具・家電付きの需要が伸びています」と話す栗山社長。
同社のグループ企業であるリロエステート(同)では、法人が希望する物件に家具・家電、インターネットなどをセットで提供するサービス「リロの家具付き賃貸」を提供している。その利用件数が22年比170%を超える伸び率だという。
さらに、栗山社長は23年のトレンドに、電気自動車(EV)用の充電設備を挙げる。「EVを社用車として使う企業が増えてきました。しかし、EV充電器が設置されたアパートやマンションはほとんどないため、EV充電器のある東京都心や高速道路のサービスエリアなどに行くしかない状況です。空室対策を考えている賃貸住宅のオーナーには、設置をぜひ検討していただきたいです」(栗山社長)
同社では、26年3月までに管理する社宅など1万カ所に、EV充電器を設置する目標を立てるなど需要を見込んでいる。
1.福祉、建設、インフラ業界の需要が増加
2.家賃の値上がりにより、郊外での需要が伸びる
3.社宅におけるEV充電器のニーズが高まる
ここに文章を記載する
(2024年1月号掲載)
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