入居者との思い出:女子留学生向けシェアハウス

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女子留学生向けシェアハウスでアジア諸外国の異文化に触れる

廣田裕司オーナー(神奈川県藤沢市)は、慶応義塾大学湘南藤沢キャンパスの近くで、4年間シェアハウスを運営していたことがある。

廣田裕司オーナー(63)神奈川県藤沢市

[プロフィール]ひろた・ゆうじ
1960年、長野県松本市生まれ。アップ代表社員、「行動する大家さんの会」代表。会社員時代に妻の実家の賃貸事業に参画。2008年に専業家主となり、10年に不動産を相続。神奈川県でアパート11棟69戸、東京都で区分マンション2戸と戸建て1戸の合計72戸を経営中。

 その物件は元は3DKの築古アパートで、10年ほど住んでいた入居者が退去した後は、建て替えるつもりだった。しかしその頃は、2021年東京五輪・パラリンピックの影響で建築資材の価格が高騰。予定を変更し、リフォームでシェアハウスに生まれ変わらせて、留学生に貸し出すことにしたのだ。

 「賃貸物件の家賃が高くて留学生が困っているという話を聞いたので、国際貢献にもなると思って決断しました。リフォームで部屋の扉に鍵がかかるようにし、家具や家電も置きました。女性限定で募集したところ、インドネシア人、フィリピン人、中国人の計3人の女子留学生が入居してくれました」と話す廣田オーナー。

 アジア諸外国と日本では生活習慣や嗜好(しこう)が違うので、当初は想定外のことも多かった。
 例えば、東南アジアではトイレで紙類を流してはいけないという習慣があるため、日本ではトイレットペーパーは流していいと教えた。その後トイレが頻繁に詰まるようになり、修理事業者に原因を調べてもらったところ、生理用品が詰まっていて、一緒に流してしまっていることが判明した。

 また、家賃は故郷の親から半年分をまとめて銀行に振り込まれていたのだが、1人1カ月5万円なので、半年分では90万円になる。高額が海外から振り込まれるようになったため、銀行から「どんな種類のお金なのか」と、問い合わせの電話がきたこともあった。

 「夏休みに帰省した留学生たちからもらったお土産のお菓子の、海外特有の味に驚いたこともあります」と廣田オーナーは笑って話す。初めての味に戸惑いつつも、食文化の違いを知るきっかけになったという。
 「驚くことや初めてのことがたくさんありましたが、すべてがいい思い出。留学生と交流できて、とても楽しい4年間でした。また、以前は1カ月約8万円の賃料だった部屋を、シェアハウスにすることで1人5万円ずつ、計15万円で賃貸することができました。リフォームに投資したかいがあったと思っています」(廣田オーナー)

▲シェアハウスのダイニングルーム

(2024年7月号掲載)

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