築古戸建てを民泊物件に再生、イケアの商品を活用
アットインテリア
民泊事業を展開するアットインテリア(東京都杉並区)は、築古の戸建て一棟を丸ごと民泊物件にリノベーションする。インテリアコーディネーターであり、イケア・ジャパン(千葉県船橋市)の立ち上げに関わっていた社長自らが物件のコンセプトやデザインを決めた。
アットインテリア(東京都杉並区)
竹川倫恵子社長

インバウンド向けに運用 社長自らデザインを決定
アットインテリアは3月12日時点で2棟の築古戸建て物件を所有し、運用する。そのうち1棟の物件名は「NEGAU HOUSE(ネガウハウス)」だ。都営地下鉄大江戸線中井駅からは徒歩7分、東京メトロ東西線落合駅からは徒歩8分の立地にある。
間取りは2LDKで築年数は40年以上の戸建て物件だ。2020年4月より、インバウンド(訪日外国人)向けの民泊・マンスリーマンションとして運用されている。竹川倫恵子社長が物件を取得後、外観・内観をリノベした。
物件の改修は、約800万円かかった。外壁や内装のデザイン、家具や設備、備品はイケア・ジャパンのインテリアコーディネーターとして活躍していた竹川社長自らが選定。イケアの商品を活用し、設備の導入コストを抑えながら設置した。家具や備品の導入費用は50万円ほどだった。
コンセプトは「ジャパンディ」グレーを基調にまとめる
物件のデザインコンセプトは、海外に人気がある「Japandi(ジャパンディ)」スタイルだ。日本風(Japanese ジャパニーズ)と北欧風(Scandinavian スカンディナビアン)の様式を融合したインテリアスタイルとなる。

▲NEGAU HOUSEの外観。外壁を塗り直し、シックにまとめた
竹川社長は「インバウンド向けの物件であれば、和を感じさせるコーディネートが人気だ。NEGAU HOUSEは窓部分に洋風な内装とも相性がいいモダンな障子を採用した」と話す。色に関してもこだわりを持ち、外壁は深いグレー色で塗装したり、内装のクロスには淡いグレーの2色を配したりするなど、シックでモダンな印象を与える色を採用した。
短期貸し出しも提供 今後はコンサル事業を展開
同物件の利用においてはインバウンドが2~3泊ほど滞在する例が多い。シーズンによって変動するが、民泊利用での宿泊費用は1人あたり8000円で、稼働率は93%。マンスリーマンションとしての賃料は月額24万円となる。
「今後は民泊物件のコーディネート以外にも家具レンタルサービスやコンサルティングなどのサポートサービスも展開していきたい」(竹川社長)

▲キッチンなどの家具や小物はイケアの商品だ
(2025年 5月号掲載)
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