美術品や貴金属を無料で鑑定評価
リユース事業を強みに買い取りも実施
遺品整理やリユース事業を展開する翔陽(横浜市)は、美術品や貴金属などの鑑定評価を無料で行っている。税理士をはじめ、保険会社や不動産会社からの紹介が多く、遺品整理は月間約20件行う。年商は20億円だ。
同社の強みは目利き力だ。リユース事業を展開しているため、鑑定した家財を買い取ることができる。
翔陽(横浜市) 前川和満代表取締役社長(54)
同社では遺品整理の依頼があると、遺留品を中古品として再利用できるものとそうでないものに仕分ける。再利用できるものはリサイクルか、処分か、それともリユースかを依頼者に決めてもらう。リユースの場合は査定見積もりを出し、その金額に納得してもらったうえで、遺品整理費用から差し引く。さらに鑑定のみを依頼された場合は、出張費、査定費、キャンセル料は発生しない。顧客が納得いかない場合でも出張費、査定費は発生しないという。
「自社でリユース事業を展開する遺品整理事業者は多くありません。遺品整理後に買い取ったとしても、結局買い取り事業者に持ち込むため中間マージンが発生し、利用客にとっては不利な取引になりやすいのです」。こう話すのは、同社の前川和満代表取締役社長(以下、社長)だ。遺品整理事業者は約2万事業者あるといわれており、大半が個人事業主だ。2011年に遺品整理事業を立ち上げる際に業界の実態を知った前川社長は、リユースのノウハウを学ぶことで企業の利益率を改善することができ、顧客の満足度も上がると考えた。
前川社長は22年に一般社団法人全国遺品整理事業協会(東京都渋谷区)を設立した。国内では遺品整理業に関する法整備が追い付いておらず、さまざまな問題が発生しているからだという。「協会の活動を通じて、健全な遺品整理業界の発展に貢献し続けたいです」(前川社長)
(2024年10月号掲載)
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