茨城県で新たに家主の会を立ち上げた日下部コウキオーナーと、新潟で二つの家主の会の代表を引き継いだ水落寛オーナーに話を聞いた。エリアは違っていても、周囲の家主と協力し、培った縁を賃貸経営に生かそうという思いは共通だ。
ゆとり世代・茨城県南部で仲間をつくる 複数人で情報を集めて楽しく共存共栄
日下部コウキオーナー(37)(茨城県つくば市)
日下部コウキオーナー(茨城県つくば市)は、4月8日に「茨城ゆとり大家の会」を立ち上げ、代表となった。「茨城周辺の若手オーナーで、大きな家主の会や地主の会に入るのはちょっと恐れ多いという人が集える場をつくりました」と話す。現在メンバーは12人だ。
日下部オーナーのこだわりとして、入会条件を厳しく設定。1980年以降の生まれであること、県南部近郊に在住および物件を所有していること、まだ物件を所有していない場合は代わりにメンバーに有益な情報や機会を提供できることなどだ。「ただ教えてもらうだけの人や、会に参加せず在籍だけしているような人は退会してもらいます。そうすることで、継続的かつ積極的に有益な意見交換ができると考えました」(日下部オーナー)
これまで、賃貸経営歴の長い家主、リフォーム会社・保険代理店の社長、家賃保証会社のスタッフなどを招いて懇親会や勉強会を行った。「同じエリアに同じ世代のライバルを増やしてどうするのかという意見はあるかもしれません。しかし、1人ではモチベーションを高めるにも、情報を得るにも限界があります。目指すのは楽しく共存共栄です」(日下部オーナー)
知識をつけて経営してほしい思いを伝える新潟の家主を育ててやる気を引き出す
水落寛オーナー(53)(新潟市)
水落寛オーナー(新潟市)は、2020年と24年に「新潟不動産投資塾」と「新潟大家の会」をそれぞれ前代表から引き継いだ。
代表者が同じでも、この二つの会は会の内容も考え方も異なっている。
まず、新潟不動産投資塾。同会は家主に不動産経営について教えるのが目的だ。新潟の不動産情報や経営のノウハウにこだわった勉強会を月1回ほど開く。そして講師の候補者には「家主のために何ができるのか」をテーマにした作文や面接を課している。投資の知識を持つ家主を育てるためだ。
新潟不動産投資塾は家主を育てる意識が強いが、広い関係づくりを求める人には、年に3〜4回開催する新潟大家の会に参加を勧めるという。「こちらの会は、家主・事業者とも広く関係を構築することができます。実務よりは賃貸経営へのやる気を高めるための場となっています」(水落オーナー)
今後は、会を運営する後継者も育成しながら新潟エリアを盛り上げていく予定だという。「人と人をつなげることがエリアを活性化する一助になればと切に願います」と水落オーナーは話す。
(2024年11月号掲載)
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