利回りが低い時代、どう不動産投資を考えればいい?

税務確定申告(青色申告)

Q 利回りが低い時代、どう不動産投資を考えればいい?

A 資産価値の高い不動産を増やしていく

 今、新築、中古にかかわらず、利回りが低い時代といわれている。そんな難しい時代に、どういったスタンスで不動産投資を捉えていくといいのだろうか。「利回りが低いということは、ただ保有しているだけでは、なかなかリターンが得られないということです」と話す沢オーナーの考えは、売却をすることで利益を確定し、一つの投資に対する「本来の利回り」を見ることだという。

 その本来の利回りとは、ROI(投資収益率)を知ることだ。

ROIとは、「利益金額÷投資資本」で出すことができる。この利回りは売却したことで初めて表に出てくる数字だ。

 例として、1億円の物件を購入し、10年間保有した後、9000万円で売却したと考えよう。実質利回りが4%で賃貸経営を回せていたが、物件価格が1割下がったことで、トータルの利益はプラス3000万円。つまり、最終的な年間利回りは3%に落ち着いたことになる。

 だが、ここに自己資金の比率が関係してくる。1億円のうち、自己資金が2000万円だった場合、前述のROIの計算式にあてはめると1・5倍、つまり最終的には年間15%の利回りを得たことになるのだ。「自己資金を押さえながらできる不動産投資だからこそ実現できる利回りです。ここに、この投資の面白さがあります」(沢オーナー)

 ただし、この本来の利回りを確保するためには「市場価値の下がりにくい物件を手に入れる」ことが大前提となる。「現在私が手がけているランドセットの新築でも、実質利回りは4%ほどです。この数字だけを見ると、不動産投資をする意味があるのかと思えるほどの利益です。ですが、物件価格が下がりにくい立地で、将来にわたっても稼働率を確保できる物件にすることで、売却時のROIの高さを確保できます」と沢オーナーは強調する。

 利回りが低く、家賃収入そのものではもはや大きな利益を得られない中、今まで以上に立地を重視して、資産価値の高い物件を狙っていくべきなのだという。 

(2024年3月号掲載)

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