トレーラーハウスで土地活用
エリアノ
トレーラーハウスの設計・販売事業や建築・設計事業を展開するエリアノ(東京都千代田区)は、2019年よりトレーラーハウス「STYLE CABIN(スタイルキャビン)」を販売しており、今年にはトレーラーハウスを活用した新事業も始まった。共同代表の武田晃直CIOに商品の特徴などについて聞いた。
宿泊施設・イベントで導入
▲横須賀市の市営公園での設置事例
エリアノのトレーラーハウスは主として避暑地や湖畔、高原、スキー場にある宿泊施設や店舗、オフィスで活用されている。また地域活性化のためのイベントで利用する事例もあり、 そのほかサウナ専用やトイレ専用のタイプも開発している。これらは主に宿泊施設の運営会社や地方自治体の購入が多い。同社はこれまでに32カ所、50台以上のトレーラーハウスを提供してきた。
トレーラーハウスの設計は同社の立ち上げメンバーで、建築事務所の日建設計(同)出身の1級建築士が手がけており、デザインや機能性を重視している。窓部分はYKKAP(同)と共同開発し、高い断熱性を持っている「トリプルガラス」を使用。エアコンや車体に直接搭載する液化石油(LP)ガスも用意する。販売価格は1台あたり660万~1050万円ほど。
トレーラーハウスの事業を開始した背景には、建物が建てにくい土地の活用も推進したいという思いがある。「トレーラーハウスは動産になるため、移動できることが強み。物件を建てにくい場所にも設置することができる」(武田CIO)
また、税理士の判断によるとトレーラーハウスの減価償却期間を4年として、定率法で計算した場合、初年は購入金額の50%を経費計上することができる。このことも事業者がトレーラーハウスを活用した新規事業として参入しやすい点だ。納車後、エリアノが事業の運営サポートを行う。
同社は新事業としてSTYLE CABINを利用した宿泊権の販売サービス「Ones HOME(ワンズホーム)を始めた。1泊2日から2泊3日の宿の宿泊権を4年分販売する。「トレーラーハウスの利用を1回の宿泊体験のみで終わるのではなく、別荘のような形で利用してほしいという思いから構想したサービスだ」(武田CIO)。サービスを提供する場所は愛媛県今治市の大三島や栃木県矢板市、山梨県山中湖村、宮崎県高原町など。
▲Ones Homeを提供する愛媛県今治市の大三島にあるトレーラーハウス
(2024年11月号掲載)
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