データで見えた:防災に関する調査

賃貸経営統計データ

防災に関する調査

電気・ガス事業、エネルギー関連の機械器具の製造・販売を行う中部電力ミライズ(名古屋市)は、全国47都道府県の男女1000名を対象に「防災に関する調査」を2024年7月2〜5日の期間に実施。防災への意識、保存食・飲料水の備蓄状況のほか、防災用品を備えるうえでの課題が明らかになった。

Q防災への意識は高まっているか

A. 約6割が高まっていると回答

 日本は、地震、台風、大雨、津波、火山噴火など、災害が発生しやすい土地といえる。1月1日に発生した能登半島地震の記憶も新しい中、8月には南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)として注意が呼びかけられ、大型台風の接近も重なった。防災への意識が高まっているか質問すると、約6割の人の意識が高まっていることが明らかになった。

 地域別に比較すると、最も意識が高まっていたのは、中部地方だった。中部地方は比較的水害が多い地域である。また、能登半島地震の影響もあるのではないかと推測できる。加えて、静岡県、愛知県、三重県などは、南海トラフ地震による甚大な被害が想定されている。それが意識の高まりと関係していると考えられる。2位の「九州・沖縄」も地震に加え、台風などの被害を受けやすい傾向にあり、3位の東北もまた2011年の震災の影響を受けているのだろう。

Q保存食・飲料水の備えはできているか

A. 備えに自信があるのは5%未満

 保存食・飲料水の備えについて聞くと「十分に備えている」と回答したのはわずか4.5%と、5%にも満たない結果になった。

 15.2%が「全く備えていない」、24.1%が「ほとんど備えていない」と回答しており、合わせて約4割が備えについて不十分であることを明らかにしている。

 備えていない人に理由を聞くと、最も多かったのは「保管場所がない」という物理的な理由だった。特に賃貸物件では専有部に保管スペースを確保するのが難しい。オーナーが共用部に備蓄品を置くことが、入居者の安心につながるのではないだろうか。

Q防災用の保存食として思い浮かぶものはなにか

A. 保存食として根強いイメージの乾パン

 防災用として思い浮かぶ保存食を聞くと、「乾パン(31.3%)」が1位で以下「カップ麺・乾麺(17.4%)」「缶詰(14.6%)」「レトルト食品(12.4%)「パンの缶詰(5.9%)」という結果になった。乾パンの歴史は長く、幅広い世代に保存食として定着しているようだ。

 被災経験がある人に持っていてよかった物を質問すると、食料や水のほか、懐中電灯、乾電池、モバイルバッテリーなどの回答が目立った。また持っていればよかったものとして、生理用品やトイレットペーパー、ウエットティッシュなどが挙がった。オーナーが災害向けの備蓄をするなら、こうした意見を反映するといいだろう。

(2024年12月号掲載)

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